秦野市は、市内の豊かな里地里山の保全や再生に向けて地域が連携して取り組む活動について定めた「市生物多様性地域連携保全活動計画」の策定を進めている。里地里山を積極的に活用する生活様式を実践するなど、市は「秦野の“売り”として誇れるような価値観を創造する」と意気込んでいる。
2011年10月に施行された生物多様性地域連携促進法に基づく活動計画。大学教授や里山保全団体の代表者らでつくる活動計画策定検討委員会を12年度に設置して検討を重ね、計画案がこのほどまとまった。
同市は丹沢山地をはじめ、弘法山や渋沢丘陵などがあり、市内の森林面積は5452ヘクタールで、総面積の約53%を占めている。丹沢にはブナなどの自然林、スギやヒノキの人工林、市街地の背後には里山の雑木林が広がっている。
行政が支援する形で市民団体などが里地里山の保全・活用を進めてきたが、計画案では、メンバーの高齢化や活動者の限定といった課題にも言及している。
基本的な考え方を「里地里山を活用した地域づくり」とし、里地里山を積極的に取り入れたライフスタイル、地域社会を確立する。行政だけでなく、地権者や農業者、学校、企業などが密接に連携して取り組む。
田舎暮らしの体験ツアーや、生態系が豊かな谷戸田の保全、企業研修や子どもたちの環境学習での活用、保全再生活動に取り組む人材の育成といった具体的な活動内容を掲げている。
市は「市民意見(パブリックコメント)を踏まえて3月に計画を策定する」としている。
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