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秦野市長選:自民支持層の投票二分、本社出口調査/神奈川

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2014年1月21日(火) 23:50

任期満了に伴う秦野市長選は、現職の古谷義幸氏(66)が新人の高橋徹夫氏(65)らを大差で破り3選を果たした。神奈川新聞社が期日前と投票日に実施した出口調査(回答数566人)によると、支持政党は自民党が39・0%と、国政で自民「一強」とされる構図が鮮明化。ただ、自民支持層の投票先は古谷氏が49・8%で、高橋氏の48・0%を上回った。有権者の投票動向を検証しながら8年ぶりの選挙戦を振り返る。

昨年11月6日、横浜市内で行われた自民党県連のパーティー。数日前に秦野市長選に出馬表明した市議(当時)の高橋氏は、会場で古谷氏の姿を見つけ、戸惑いの表情を浮かべた。県議を2期務めた古谷氏は、旧知の自民県連幹部らと談笑していた。

高橋氏は同党秦野市連合支部の幹部。同支部長の久保寺邦夫県議は自身の会合で高橋氏を市長候補として紹介し、「支部で推薦するから県連の推薦も得られる」との見通しを示していた。しかし党県連の推薦は得られず、自民の看板を前面に出すまでの活動はできなかった。推薦が得られなかった理由について陣営関係者は「無投票だった前回は現職を推薦し、大きな失政もない」「自民党の支援候補は川崎市長選など全国各地で敗北が続いている」などと推測する。

市長選告示日の12日、古谷氏の出陣式には、みんなの党の参院議員で前知事の松沢成文氏や、民主党県連代表の金子洋一氏、公明党県議らが出席。あいさつの順番をめぐってもめる場面もある中、自民党員として活動してきた市議らも紹介され、多党派による支援態勢を印象づけた。

出口調査では、古谷氏は民主支持層の81・6%、公明支持層の88・9%を固めたほか、共産支持層(65・0%)にも浸透。古谷氏は当選後「政党や団体が横断的に団結してくれたのが大きい」と勝因を分析した。

新聞各紙に選挙公報が折り込まれた15日。高橋氏は街頭で「どうぞ、家に帰ったら選挙公報をじっくり見比べてください」と繰り返し声を張り上げた。公報では高橋氏が「中学校の完全給食化」や「小学生の医療費無料化」など具体的な政策を示したのに対し、古谷氏は「地域の活性化」などコンセプトにとどまった。

出口調査で投票基準を尋ねたところ、「公約や政策」を選んだ人は半数を超え、その約6割は高橋氏に投じている。年代別でも20~40代は高橋氏が上回り、子育て世代を中心に高橋氏の政策への期待が高かったことがうかがえる。一方、「人柄」や「実行力」を挙げた人は古谷氏に多く投じており、50代以上の有権者からも古谷氏が圧倒的な支持を集めていた。

選挙の行方を左右するとされる無党派層(支持政党なし)は全体の40・5%を占めており、このうち古谷氏に53・7%が流れ、高橋氏(42・4%)を抑えた。

◆古谷氏に当選証書

秦野市長選の当選証書付与式が21日、同市役所で行われた。3選を果たした現職の古谷義幸氏(66)が、市選挙管理委員会の佐々木茂良委員長から当選証書を受け取った。

佐々木委員長は「古谷さんは3期目の当選だが、政治家としても人間としても、いわゆる円熟期に入ってきたと思う。長年の政治活動の経験と実績を大いに生かして17万市民のためのさらなる活躍を期待している」と述べた。

古谷氏は「うれしい限り。まちづくりと人づくりにしっかりと取り組んでいきたい」と気を引き締めていた。

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