消防広域化に伴い休暇が取れず職場環境が悪化したとして、小田原市消防本部の職員が市公平委員会に措置要求していた問題で、同委員会は2日までに訴えを認め、本多高弘消防長に改善を勧告した。公文書改ざんに次ぐ新たな問題が判明した格好で、消防体制の早期の立て直しが求められそうだ。
措置要求は今年6月、職員83人が地方公務員法46条に基づき提出。公平委は、職員の利益保護と人事権の行使を保障するために設置されている行政委員会。弁護士ら3人からなり、職員の勤務条件などを調査・審査する。
勧告書は1日付で、広域化がスタートした今年3月末以降、足柄消防署(旧足柄消防組合本部)の警防第1課、2課で週休日の割り振りや年次休暇などが取得できていないと判定した。
一部職員が法規で定められた週休日を取得できず、年次休暇を取得しにくい事態は重要な問題とした上で「例え(新採用の)初任教育への派遣期間が終了すれば、改善が見込めるとしても容認できない」などと指摘、増員などを勧告した。
措置要求した職員の一人は「主張が認められ評価している。ただ、『消防本部では署からの報告がなかったため認識していない』という記述は事実誤認である」などと話している。
この職員は、足柄消防署長(旧足柄消防組合消防長)が5月に開催された消防本部の管理者会議でこうした窮状を訴えたが、当時の鈴木元・消防長が改善に向けた検討の意志を示さなかったため、措置要求に踏み切った経緯がある。こうした措置要求は同市では異例。
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