
JR川崎駅前で12日に行われたヘイト街宣で、主催団体が掲げたのぼり旗に記されていた「朝鮮学校は国家保安法違反」との文言について、駐横浜大韓民国総領事館は16日、神奈川新聞社の取材に「国家保安法に違反するという事実はない」と否定した。虚偽の事実によって朝鮮学校の関係者や保護者、子どもたちを不当におとしめるもので、「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」で罰則対象とするヘイトスピーチに該当する可能性がある。
街宣は極右政治団体「日本第一党」の渡辺賢一氏が立ち上げた「日の丸街宣倶楽部」が主催した。
同法は韓国の法律で、北朝鮮政府などを反国家団体に指定し、団体に関わる一切の行為を処罰対象とする。総領事館の韓相赫(ハンサンヒョク)領事は取材に「韓国籍の同胞が数多く通っていることからも明らかなように、朝鮮学校は反国家団体ではなく、同法に違反するという事実はない」と説明。「民主主義の発展や北朝鮮との関係の変化から市民も朝鮮学校を大切に思っており、社会の認識からも誤っている」と強調し、デマを打ち消した。
同法は軍事政権下で弾圧に悪用された歴史があり、現在では法の適用は限定的であるべきとの解釈が定着しているという。