25日に投開票された横浜市長選は、29・05%という過去最低の投票率に終わった。参院選直後、お盆の時期という状況が重なったとはいえ、7割以上の有権者が投票所に足を運ばなかったことに懸念を示す声は多い。投票率アップに向け、市選挙管理委員会は「常時、投票につながる啓発をすることが大事。研究していきたい」としている。
市選管によると、同市長選で最も低かったのは1994年の32・37%。全国の政令市では、▽79年京都市長選=16・13%▽93年神戸市長選=20・43%▽93年川崎市長選=29・29%-という記録がある。
しかし、最低記録を一気に3・32ポイント更新した今回の結果に、市選管の小磯行生課長は「懸念はしていたが、ここまで低くなるとは予測していなかった」。
投票率が30%を切ったことについて、敗れた柴田豊勝氏の陣営は「非常に問題」とし、選挙戦がお盆の真っ最中から始まった点を要因に挙げる。再選を果たした林文子氏の陣営からは「突然辞めて選挙を8月にした(中田宏)前市長の責任」「立候補者が少なく、盛り上がりに欠けた」との声も聞かれた。
低投票率だった要因について、市選管は、真夏の選挙だったことに加え「投開票日は朝から雨が降り、投票に行こうとする有権者の出はなをくじいたかもしれない」と分析する。
ただ、全体の投票率が低迷する中で、期日前投票は堅調に推移。単独選挙だった前々回(2006年)の約1・5倍に増え、全体の約24%に当たる20万6249票が投じられた。区別で見ると戸塚区が1万9697票で最も多く、旭区(1万8788票)、青葉区(1万5635票)と続いた。
中でも戸塚区は、06年市長選に比べ2倍以上に増加。市選管は「区庁舎の移転に伴い、期日前投票所も駅直結となり、利便性が高まったからではないか」と分析する。旭区や、期日前投票が高かった泉区なども、駅前に臨時期日前投票所が設けられている。
投票日当日の天候や有権者の予定に左右されない期日前投票。投票率アップに向けて、市選管は「より期日前投票が増えるよう、区と協議していきたい」としている。
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