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朝鮮学校学費補助 県が交付決定留保 「拉致」記述なしが理由 

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2016年11月9日(水) 11:51

神奈川県庁
神奈川県庁

 黒岩祐治知事は8日、朝鮮学校に通う児童・生徒に対する学費補助の交付決定を留保すると発表した。県が求めていた歴史教科書の改訂が行われていないことなどが理由。県内で朝鮮学校5校を運営する神奈川朝鮮学園(横浜市神奈川区)は改訂の代わりに独自教科書を作成する意向を示しており、県はその内容を見て、2016年度中に交付の可否を最終判断する。 

 県が留保した前期(4~8月)分の交付予定額は、5校244人分で約2100万円。同日会見した黒岩知事によると、前期分の学費補助の交付可否を判断するため、学園側に教科書の改訂状況を問い合わせたところ、(全国の朝鮮学校で使う教科書を作成する)編さん委員の辞任や財政難で「改訂は困難」との回答があった。

 黒岩知事は「改訂は学費補助交付の前提で、それが崩れている。改訂見送りが(13年度に続き)2度目となれば、信義が損なわれる」と説明。その後、学園側が拉致問題を含めた歴史教科書を独自に作成すると申し出たため、知事は「県が求めた内容になっているか見極めて判断する」との意向を示した。

 文部科学省は3月、朝鮮学校に運営補助金を交付している自治体に交付の妥当性を検討するよう求める通知を出したが、知事は「通知が影響を与えたことはない」と述べた。

 県は、11年に朝鮮学校の歴史教科書から拉致問題の記述が削除されて以降、適正な記述を盛り込むよう繰り返し求めてきた。県が14年度に学費補助制度を導入する際、学園側は「教科書編さん委に早期改訂を強く要望していく」と回答。同時に、学園側は拉致問題に関する副教材を独自に作成する考えを示し、現在授業で使用しているという。

 朝鮮学校への補助金を巡っては、13年2月、北朝鮮の核実験を受け、県は同年度の経常費補助の交付を取りやめた。14年度から国際情勢に左右されないよう、児童・生徒への学費補助に切り替えた。

 
 

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