県内で昨年度に初めて確認された、コナラやミズナラなどの樹木が集団で枯れる「ナラ枯れ」の被害について、大和市内でも3カ所で計12本発生していたことが分かった。市みどり公園課は被害拡大の予防を目的に、伐倒くん蒸などの防除を検討している。
ナラ枯れは、穿孔(せんこう)虫類のカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によって引き起こされる樹木の伝染病。大量繁殖すると、根から水を吸い上げる機能を失って2、3年で枯死してしまう現象だ。
体長約5ミリのカシノナガキクイムシを発見することは難しいが、内部に入り込む際に木くずなどからなるフラスと呼ばれる粉状の排出物が周辺にたまることで判別できる。県内では昨年度、三浦半島や箱根山地などで6カ所、約240本の被害が初めて確認された。
被害拡大を抑えるには早期発見・初期対応が重要で、県は市町村に対して監視活動の強化を要請。大和市内では今年8月以降、街区公園(中央林間)で4本、保存緑地の深見歴史の森(下鶴間)7本、同じく泉の森(上草柳)1本の計12本の被害木が確認された。
県水源環境保全課によると、初確認から2年目の本年度は被害が拡大、10月末までに県内全体で48カ所、500本以上が報告されている。