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時代の正体 差別のないまちへ
川崎市、差別根絶条例が全面施行に ヘイトへ刑事罰を適用

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2020年7月2日(木) 05:00

極右政治団体「日本第一党」のヘイト街宣に抗議する日下部将之さん(左)。市民団体「東京給水クルー」代表を務め、ヘイトスピーチに抗議するカウンター活動に取り組んできたが、6月27日、脳出血で急逝した=2月9日、JR川崎駅東口
極右政治団体「日本第一党」のヘイト街宣に抗議する日下部将之さん(左)。市民団体「東京給水クルー」代表を務め、ヘイトスピーチに抗議するカウンター活動に取り組んできたが、6月27日、脳出血で急逝した=2月9日、JR川崎駅東口

 あらゆる差別を禁止し、根絶を掲げる「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」が1日、全面施行され、ヘイトスピーチに対する刑事罰の適用が始まった。差別を犯罪として規制する法令は法律を含めて初めて。市の勧告、命令に従わず外国にルーツのある市民を標的に差別的言動を繰り返した人物・団体に最高50万円の罰金を科す。

 規制対象の言動は、特定の国や地域の出身を理由に地域からの退去や危害を加えることを扇動したり、侮辱したりするもの。ヘイトデモ・街宣を想定し、公共の場で拡声器などを使って行われたものに限り、日常生活での言い争いや政治的主張、歴史認識の表明は基本的に対象外とした。

 違反する言動があった場合は勧告、命令、公表・刑事告発と進み、それぞれの段階で有識者の審査会に意見を聴く。市の告発を受け、検察庁が起訴か否かを判断し、最終的に裁判所が有罪か無罪かを決める。市は「一行政機関の恣意(しい)的な判断にならないよう二重三重のチェックを経ることから、表現の自由には抵触しないと考える」としている。

 市内では2013年から在日コリアンを排斥するヘイトデモ・街宣が繰り返され、市は啓発や教育では抑止できないと判断。「居住する地域において平穏に生活する権利の保護」を掲げて刑事罰の導入に踏み切った。条例は昨年12月、市議会の全会一致で可決・成立した。

 市人権・男女共同参画室は「全面施行は大きな一歩。市の多様性を誇りとしながら、あらゆる差別を許さない決意を持ち、差別を生まない土壌をつくる取り組みを着実に進める」と話した。

 
 

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