
鎌倉市議会臨時会は22日、総務常任委員会を開き、市民団体が提出した市役所の移転計画の是非を問う住民投票条例案を修正可決した。ただ27日に開かれる本会議でも可決されるかは不透明な情勢だ。
13条で構成された原案のうち、文言の直しも含めて11条を修正した。
原案で市長と市議会は住民投票の結果に拘束されるとした部分は、「結果を尊重しなければならない」と修正。「本庁舎の深沢移転」の賛否を問うとした部分は深沢の意味を深沢地域整備事業用地と明記し、「住民投票の総数が投票有資格者の総数の2分の1に達したときは、その結果の重みを十分に考慮しなければならない」を加えた。
修正案は高野洋一氏(共産)が提出。提案理由について、高野氏は「直接請求した市民の精神や判断基準を尊重し、あくまで技術面や違法性のある規定を改善し、実効性のある条例とするため」と説明。結果の拘束力については「過去の判例や総務省の見解から地方自治法に違反する可能性が高い」とした。
委員から「市民の声を形にし、信を問うことが良い」「住民投票よりも(移転計画の)情報共有レベルを高め、市民が議論に参加できる環境を整えるべき」などの意見が出された。採決の結果、賛成、反対とも3人で同数となり、委員長採決で修正可決した。
常任委の前に開かれた本会議で、市民団体の岩田薫共同代表ら6人が意見陳述し、「8270人の署名の重さを受け止めてほしい」と訴えた。