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【IR考】横浜市長、なお「白紙」 市民団体質問に表明 市議も個人は大半が賛否示さず

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年10月31日(水) 09:25

IRの横浜市への誘致を巡り、林市長や市議からの回答について会見する市民有志ら=横浜市役所
IRの横浜市への誘致を巡り、林市長や市議からの回答について会見する市民有志ら=横浜市役所

 IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の横浜市への誘致を巡り、林文子市長と全市議に対し、賛否を尋ねるシール投票と質問状への回答を呼び掛けていた市民有志らが30日、市役所で会見し結果を公表した。市長は改めて「白紙」を表明。情報収集・分析を進めており、市民に意見を聞ける状況ではないとの考えを示した。市民有志らは、街頭での民意は大半が反対だとした上で、「市民の声を聞いてほしい」と訴えた。

 市民らでつくる有志グループ「横浜にカジノってどうなの?」が8月末、市長と全市議(86人)にシール投票と質問状を届けた。投票は市長や議員個人の名前が記されたシールを「いる」「いらない」のいずれかに貼り、意思表示する形。9月下旬までに市長と自民(31人)、民権フォーラム(21人)、公明(16人)、共産(9人)の各会派、無所属3人が答えた。ヨコハマ会(2人)と無所属4人からは回答がなかった。

 市長からはシール投票の返却はなく、質問状の回答のみ。「市民へのアンケートをいつ行い、どう反映するのか」との問いに対し具体的な方法や時期は「今後、検討する」としつつも時期は「未定」とした。

 自民からもシール投票の返却はなく、市が調査中であることなどを理由に「状況を注視したい」との見解を示した。民権の投票には議員個人のシールではなく、会派名が記された自作のシール1枚で「いらない」と意思表示。公明は全議員のシールが「いる」と「いらない」の間に貼られ、質問状では全員が「分からない」と回答。共産党の全員と無所属の3人は「いらない」とした。

 有志グループ共同代表の小林章子さん(45)らは「一人一人の考え方を知るのが狙いだったが、回答なしや会派としての回答は不誠実」と批判。結果はフェイスブックで公開する。

 同グループは昨夏の市長選前から街頭でのシール投票を展開。42回で延べ1万4166人が応じた。全体の約86%に相当する1万2165人が「いらない」、約13%の1794人が「いる」と回答したという。来春の統一地方選でIRを争点にするため、今後もシール投票などを展開するとしている。

市民がシンポ、「カジノは不要」アピール


 IR(カジノを含む統合型リゾート施設)の横浜市内への誘致検討について議論するシンポジウムが29日夜、同市南区で開かれた。登壇者はギャンブル依存症や多重債務問題の視点から警鐘を鳴らし、「横浜にカジノは要らない」とするアピールが採択された。


弁護士らがカジノ解禁に警鐘を鳴らしたシンポジウム=29日夜、横浜市南区
弁護士らがカジノ解禁に警鐘を鳴らしたシンポジウム=29日夜、横浜市南区

 市内の回復支援施設「RDP横浜」で支援員を務める樋口信一さんは、借金を重ねてギャンブルにのめり込んだ経験を明かし、「ギャンブルだけが落ち着ける居場所だった。やめたくてしょうがないのに抜け出せず、泣きながらパチンコをやっていた」と説明。依存症患者が治療に結び付きにくい現状について「『人に迷惑を掛けておいて病気だと逃げるんじゃない』と自己責任論で片付けられてしまう」とし、依存症への理解や支援の必要性を訴えた。

 多重債務問題に取り組む弁護士の野村和造さんはカジノ解禁について「多くの人が苦しみ、その反面としてもうける人がいていいのかという倫理的問題が問われている」と指摘した。

 自治労系のシンクタンク「横浜地方自治研究センター」が主催し、約150人が参加。立憲民主党の国会、市会議員も登壇した。

 
 

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