耐震改修の着工後に広範囲な腐食が判明し、工事が一時中断されている旧鎌倉図書館(鎌倉市御成町)について、工期が2年以上遅れ、追加経費が9千万円以上に上ると見込まれることが6日、分かった。現状と着工前の調査結果が乖離(かいり)した原因を突き止めるため、市内部で調査委員会を発足したという。
同日開かれた市議会9月定例会の本会議で、市側が大石和久氏(公明)の質問に答えた。
工事を所管する市行政経営部の齋藤和徳部長は、このまま耐震改修工事を継続した場合について「腐朽木材の交換や材料費、工賃などで、少なくとも約9千万円かかる」とし、「中断期間の安全対策費などで、さらに増額する可能性がある」と説明。工期について「追加の構造設計や工事などで、2年以上の延長が見込まれている」と述べた。
松尾崇市長は「なぜ事前に把握できなかったのか、(調査委で)調査している。今後類似の事業を行う場合は、調査結果を踏まえ、対応を検討したい」と答えた。
市は、1936年完成の旧図書館を、約2億5千万円かけて学童保育施設に改修し、来年4月に開設する予定だった。