横浜市会第1回臨時会が12日、開会した。初日の本会議では、新型コロナウイルス感染症対策費などを計上した市提出の2020年度一般会計補正予算案への質疑が行われた。林文子市長は改めて、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致関連事業を停止する考えはないと答弁した。
古谷靖彦氏(共産党)は「IRに関する全ての作業を止めて、コロナ対策に注力すべき」と指摘。これに対し、市長は経済を活性化させることで「いざというとき(のため)に余力をつくっていかないといけない」と説明。IRは「市の経済活性化をリンクさせる一つの政策」とし、今後も推進する考えを示した。誘致推進事業費4億円を計上した20年度一般会計当初予算を組み替えることも「考えていない」と一蹴した。
井上桜氏(無所属)は、誘致推進事業費を取り崩せない理由をただした。市長は「反対の方もいるが、今だからこそIRが必要という人もいる」と答弁。「観光が復活していく場合に、東京、大阪のように目玉となる観光をどのようにつくるのかは大きな課題になる」と述べ、理解を求めた。
一方、緊急事態宣言に基づく休業要請で収入が減るなどし、生活が困窮するひとり親世帯への支援に前向きな姿勢を示した。関勝則氏(自民党・無所属の会)の質問に対し、感染拡大の影響で本年度に実施されない事業の中から「減額補正で出てきたお金をあてがおうと考えている」と説明。さらなる補正予算の編成についても必要に応じて検討するとした。
臨時会では、感染防止の対策が講じられた。定数86人の議員は2班に分かれて交代で議場入りし、116席ある傍聴席の利用を23席に制限。延べ30人の傍聴者に検温を実施した。演壇と議長席には飛沫(ひまつ)防止のためのアクリルパネルが設置され、登壇者が変わるごとに消毒した。