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綾瀬・市政課題 市長任期折り返し(上)厚木基地返還要求 市の発展「転換期」

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年8月18日(土) 11:08

大和市と綾瀬市にまたがる厚木基地(奥)
大和市と綾瀬市にまたがる厚木基地(奥)

 「大きな転換期」。綾瀬市の古塩政由市長は力を込める。短い言葉には、長年の隔靴掻痒(そうよう)たる状況から脱却し、市の発展を目指す切実な思いが集約される。

 発言の背景にあるのは厚木基地の存在だ。大和、綾瀬の両市にまたがり、面積は東京ドームおよそ108個分に当たる507ヘクタール。うち395ヘクタールは綾瀬市側で、市域の約18%を占める。土地利用の連続性が確保されず「ぽっかりとあいた穴」と市職員は例える。

 東西を結ぶ道路網の整備に支障を来し、交通混雑の要因になっている。同市都市計画課は「本来は道路が何本もできて自由に行き来できるはずだが、大きく迂回(うかい)しなければならない」と説明する。

 返還に向けては、1968年から同基地西南地区(ピクニックエリア)について国に要請。71年から77年にかけ段階的に計11・7ヘクタールが返され、綾北中学校や光綾公園が整備された。

 一方、西南地区6ヘクタール、ゴルフ場地区39ヘクタール、西門南側地区5ヘクタールは未返還のまま。国側は市に「福利厚生施設として使っている」などと回答してきた。ただ、昨年から今年3月にかけて米空母艦載機が厚木基地から岩国基地に移駐。土地返還への期待が増している。古塩市長は市議会6月定例会で、「街づくりに寄与する施策の充実、新制度の実施について国と協議、検討を行う仕組みが必要」と強調した。

 2017年度には土地利用構想の策定に向け予算を計上。昨年8月、移駐後も厚木基地の重要性が変わらないとの米側の認識が示され、策定は見送った。

 過去、同基地の課題は艦載機の騒音に重点が置かれてきた。「返還について何のためにどう使うかシビアな詰めをしてこなかったところもある」。古塩市長はこう振り返る。

 見透かされたかのごとく今年7月、比較的新しく必要な住宅は維持される-などの方針が明らかになった。だが、強い意志を示す。「(米側は)新たな機能みたいに付け加えて、適格にしようとする。このまま収めれば、将来、あの時なぜ言わなかったのかとなる。今やらず、いつやるのか」

 他市を含め周辺住民の反応はさまざまだ。「迂回は不便」「騒音以外で生活に支障はない」。市内在住約40年の主婦(74)は「今の状況に慣れてしまった。振興につなげる考えがあって良いのでは」と話す。

 移駐完了後、騒音測定回数が減る中、同基地が所在することは変わらない。市はこの現実をいや応なく突き付けられる。故に基地の持つ歴史や特性の活用といった幅広い観点での街づくりを迫られている。

 他にも一般会計歳入総額の1割程度を占める基地関連の交付金と補助金について、移駐に伴う減額も想定され、課題は山積みだ。こうした問題に対応するため、市は18年度、庁内に横断組織を立ち上げる。

  ◇

 古塩市政が7月下旬、1期目の折り返しを迎えた。基地問題や街づくりを中心に実績や課題について考察する。 

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