新型コロナウイルスの感染拡大で学校休校が長期化しているのに伴い、安倍晋三首相が新学期の時期を5カ月ずらす「9月入学制」検討に言及した。学習の遅れなどを心配する知事や野党幹部が変更を求める声を上げ始めたのが急浮上の背景にある。コロナ対応で迷走気味との政権批判をかわし、目先を変えたいとの思惑も透ける。ただ就職など社会全体に影響が及びかねず、実現のハードルは高い。政権は世論の動向を慎重に見極める姿勢だ。
選択肢
「前広にさまざまな選択肢を検討したい」。首相は29日の衆院予算委員会の答弁で、9月入学が視野にあると認めた。萩生田光一文部科学相も「広く国民の間で認識が共有できるのであれば大きな選択肢の一つだ」と指摘した。