
横浜市の新市庁舎(中区)が完成し、10日に報道陣に公開された。13日から一部業務を開始。JR関内駅前の現市庁舎や周辺の民間ビルに入居する各部署を順次、移転し、6月29日に全面使用を始める。総事業費は750億円超に上る。
8代目となる新市庁舎は、行政棟と議会棟で構成され、延べ床面積は計14万2600平方メートル。地下2階地上32階建ての行政棟(高さ155メートル)は、横浜高速鉄道みなとみらい線馬車道駅に直結している。
1~3階には、三層吹き抜け構造の明るく開放的な屋根付き広場や市民相談室のほか、物販・飲食などの約20店舗を配置。市民ラウンジからは、みなとみらい21(MM21)地区が一望できる。
3~8階に議員室や委員会室などの議会機能を置き、9~31階の行政機能と分けた。行政棟と3階でつながる議会棟に、現在の1・5倍超の約740平方メートルに拡張した議場がある。傍聴席は216席と100席増やし、窓ガラス越しに議会の様子を見学できる親子傍聴室を2部屋用意した。


来庁者が執務室に入室するには、3階で受け付けをする必要がある。受付で入館証を受け取り、セキュリティーゲートを通過してエレベーターで各階に上がる。窓口業務のある部署を除き、執務室は施錠され、用事がある場合は執務室前の内線電話で職員を呼び出す。市は「危機管理体制を強化した」と説明している。
市庁舎移転は、築60年以上が経過する現市庁舎の老朽化に加え、周辺約20の民間ビルに部署が分散し、年間約20億円の賃料が発生するなどの課題を解消するのが目的。新市庁舎では約6400人の職員が勤務することになり、業務を効率化し、災害対応も強化した。
市によると、本体工事679億円のほか、議場の内装工事費34億円、防犯カメラや音響など特殊設備費37億円、移転費3億3千万円が投じられる見通し。