
行政と接点の少ない住民の声を聞く場をつくろうと、寒川町が7日、無作為抽出による「市民討議会」を開く。
他の自治体で同様の取り組みはあるが、町としては初めての試み。6月に2500人に案内状を郵送したところ約2%に当たる49人が参加を承諾した。抽選で30人に絞り、6人の小グループで町の課題について話し合ってもらう。
市民討議会は、住民自治の手法の一つとしてドイツで始まったとされ、無作為抽出で参加を呼び掛け、出席は有償というのが特徴。行政に目を光らせている住民層とは異なる幅広い人々が意見交換する場として注目されている。茅ケ崎市では2009年度から継続して実施。小田原市でも11年度開始の総合計画を策定する際に活用された。
今回の試みは、文教大湘南総合研究所と寒川青年会議所で組織する「寒川町『市民討議会』実行委員会」と、町が共催。「井戸端会議的なもの」という位置付けで、改変を加えながら続けている茅ケ崎市の事例を参考に、発送数や協力謝礼(町共通商品券千円分)などを決めた。

締め切り日までに返信が393通あり、参加できないとした344人には日程の妥当性や謝礼の必要性などについてアンケートに答えてもらっており、今後の参考にするという。
討議会はシンコースポーツ寒川アリーナ(寒川総合体育館)で、午前9時半から3時間ほどを予定。見学自由。担当課は「承諾したのに抽選に漏れた人、招待状が届かなかった人も興味のある人はぜひ来場して」と呼び掛けている。問い合わせは町協働文化推進課電話0467(74)1111。