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【山下ふ頭再開発】 横浜市、着々準備 倉庫業者の移転交渉収束へ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2016年10月24日(月) 02:00

2020年の一部完成へ再開発が動き始めた山下ふ頭=横浜市中区
2020年の一部完成へ再開発が動き始めた山下ふ頭=横浜市中区

 横浜臨海部の新たなにぎわい拠点となる山下ふ頭(横浜市中区、約47ヘクタール)を巡り、市は先行開発する一部エリアに立地する全ての倉庫事業者との移転交渉が本年度中にまとまる見通しを明らかにした。カジノを含む統合型リゾート(IR)施設の整備を促す法案(カジノ法案)の成否にかかわらず東京五輪が開かれる2020年に一部を完成させ、25年以降に埠頭(ふとう)全体の一体的開発を実現させる方針だ。

 山下公園に隣接し、先行して開発する1期エリア(約13ヘクタール)には倉庫や公共上屋(荷さばき場)など計12棟が立地。市は倉庫事業者12社、公共上屋を利用する荷役業者など18社と移転交渉を進めており、これまでに倉庫事業者4社と移転補償契約を締結した。


山下ふ頭
山下ふ頭

 建設から半世紀以上がたった倉庫は老朽化が目立ち、早急に移転を進めたい事業者がいる一方で、「収支見通しの検討や取引先との調整に時間が必要」とする声も上がっているという。市の担当者は「交渉はおおむね順調。経営判断を下期に行う事業者が多いことから、丁寧に説明を重ねて契約締結したい」と説明する。

 ほとんどの倉庫事業者は横浜港内で営業を継続する意向を示していることから、市は物流エリアである南本牧ふ頭、新山下地区などに移転候補地を設定。国が創設した高機能の倉庫建設に対する無利子貸し付け制度を活用できるようにした。

 先駆けとなったのは三井倉庫(東京都港区)。この制度を利用して南本牧ふ頭に移転を決め、9月下旬に定温倉庫を着工。17年10月下旬の竣工(しゅんこう)を目指す。市は埠頭全体の移転補償費約370億円のうち、1期エリアは約270億円を想定。地区内外を連絡する基盤整備費は約120億円を見込む。

 市が策定した開発基本計画では、文化芸術やエンターテインメント、宿泊による滞在型空間を融合させてにぎわいを生み出す「ハーバーリゾートの形成」を将来像に掲げる。IRについて直接記載はしておらず、市は「山下ふ頭の再開発はIRが前提でなく、法が成立してもしなくても計画に沿って開発を進める」との立場を変えていない。

 ただ、地元経済界や企業グループなどはIR施設は山下ふ頭が最有力の候補地と見ており、欧米の事業者などが関心を寄せているともされる。

 「IR事業者以外で賃料収入があるのか」。今月4日の市会決算特別委員会で河治民夫氏(共産党)の質問に答えた市山下ふ頭再開発調整室の御厨久史室長は「非常に静穏な水域に囲まれ、観光スポットに隣接している広大な空間を持った地域。開発ポテンシャル(潜在力)は高いと認識している」と自信を見せた。

 建物の計画や整備、施設の運営を担う民間事業者の公募を17年度に予定している市は、カジノ法案の成否が見通せない中で、公募要項を含めた具体的な内容の検討を始めている。

山下ふ頭 1953年から埋め立てが始まり、63年に完成。公共上屋や倉庫が全体で49棟あり、高度成長期には貿易港としての横浜港の発展を支えてきた。現在も海上コンテナの開梱(かいこん)や梱包(こんぽう)などの作業のほか、貨物船の荷役作業も行われている。横浜スタジアム18個分に相当する広大な空間で、臨海部での再開発はみなとみらい21(MM21)地区に次ぐ大規模プロジェクトになる。

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