
自民党の杉山信雄県議(60)=川崎市川崎区選出=が乗用車で人身事故を起こし、警察に通報せずに現場を立ち去った問題で、同党県連は29日、来春の県議選に向けた公認取り消しを決めた。杉山氏は同党県議団を離団する意向を示しており、近く団会議で了承される見通し。
県連幹部によると、杉山氏は25日、小島健一県議団長に電話で「団に迷惑を掛けた」などとして離団する意向を伝達。県連の土井隆典幹事長には、組織本部副本部長を辞任する考えを伝えた上で、次期県議選の公認については「捜査結果が出ていないので、幹事長に一任したい」と述べた。
これを受け、県連は29日に緊急の総務会を開き、公認取り消しを決定。同選挙区の候補は「白紙の状態」(県連幹部)に戻し、川崎市連が対応を協議する。役職辞任についても了承し、市連総務副会長も辞任する方向で決まるとみられる。
中原署によると、杉山氏は12日午前、同市中原区の丁字路を左折しようとしたところ、男子高校生の自転車に接触。生徒は転倒して軽傷を負ったが、警察に通報せずに立ち去ったという。目撃証言などから杉山氏が浮上し、任意の事情聴取に事故を認めた。同署は自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで調べている。