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カジノ法案審議入り、揺れる横浜 市長は「白紙」

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年5月23日(水) 02:00

IR誘致の有力候補地とされている山下ふ頭=横浜市中区
IR誘致の有力候補地とされている山下ふ頭=横浜市中区

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案が22日、国会で審議入りした。「日本型IR」の姿が具体化するにつれ、誘致に意欲的な自治体のアピール合戦が熱を帯びる中、有力候補地の一つとされる横浜市は「白紙」(林文子市長)を貫く。市内世論は経済効果への期待が高まる一方、ギャンブル依存症などへの懸念が取り沙汰され、賛否が交錯。市の動向に注目が集まる。

 「2年後くらいに開業できるのが和歌山県の特色」。11日、都内で開かれた各国のIR事業者らが集うフォーラム。英語版の資料も配布した同県の仁坂吉伸知事は受け入れ準備が整っていることを強調し、「法案にある3カ所に選ばれるよう、事業者と知恵を出し合う」と売り込んだ。

 フォーラムには北海道や長崎県の関係者も参加。釧路市の蝦名大也市長は「アイヌ文化と温泉を融合させていく」としつつ、複数の自治体が誘致に名乗りをあげる道内の状況を念頭に、“ライバル”の苫小牧市と連携する考えも示した。「新千歳空港の利便性を最も生かせるのは苫小牧。そこをベースに道全体の波及効果を生み出す形が重要。とにかく北海道に持ってくる」

検討“復活”


 横浜市はフォーラムに不参加だった。情報収集のため一時は職員派遣を検討したが、ビジネス色が強く「ちょっと想定していた趣旨と違う」(林市長)と判断。同様に首長がトップセールスを繰り広げた2月のIR議員連盟総会も職員が傍聴するにとどめた。市の慎重姿勢は、IRに積極的な色合いが濃い場面で注目を集めることを避けているようにも映る。

 だが、微妙な変化の兆しも出ている。市が策定中の次期中期計画(2018年度から4年間)の素案は、1月段階で触れていなかったIRについて「国の動向を見据え、検討する」との一文が盛り込まれた。

 市長は9日の定例会見で「前向きだということではない」と言い添えたが、反対派の市議は市会の本格論戦を前に「『白紙』を実質的に撤回したのだと見なして挑む」と力を込める。一方、ある市議は「ニュートラルな立場で検討するという意味だろう」と受け止め、「市は最終判断を下せるだけの材料を集める必要がある」と本格的な調査の必要性を強調する。

 実際、市の調査は止まった状態だ。市は14年度から調査費として毎年1千万円を計上し、当初3年間は経済効果やギャンブル依存症対策など各国の事例を研究してきた。だが、17年度以降は国が目指す「日本型IR」の姿が見えなかったため、予算は未執行の状態が続いている。

賛否が交錯


 足元の市内世論も方向が定まっていない。

 地元経済界からは「横浜の将来の経済発展のために不可欠」と期待の声が上がる一方、昨夏の市長選で争点の一つになっただけに、候補地と目される自治体の中でも反対の声が根強いことで知られる。16日、JR横浜駅前で誘致反対に署名した60代の無職女性=港北区=は「ギャンブル依存症を生み出す弊害が大きい割に、一般市民にもたらす利益がいまいち分からない」と首をかしげた。港湾関係の有力者も反対を唱える。

 賛否交錯の状況下、市の「検討」はいつまで続き、どこで着地するのか。市は今後調査を再開し、「日本型IR」についてメリット、デメリットを検証する見通しだ。


衆院本会議、県内与野党4議員が登壇


 衆院で審議入りしたカジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案を巡り、22日の本会議で県内の与野党議員4人が登壇。賛否それぞれの立場で主張を繰り広げ、安倍晋三首相の見解をただした。

観光客増やす大きな影響力

自民党・鈴木馨祐氏(7区)

 東京五輪に向けIRは訪日観光客数を伸ばす大きなインパクトになり、日本経済にもさまざまな効果が考えられる。世界最高水準のカジノ規制により、国民の懸念に万全の対策を講じられる日本型IRを早期に実現するため、審議を速やかに進め成立させることが国会の責任だ。

倫理は落ち社会の闇も

立憲民主党・阿部知子氏(12区)

 セクハラが横行し、賭博も解禁となれば、人としての倫理は地に落ち、社会の闇はさらに深くなる。アベノミクスは人の不幸を食い物にして成り立つ経済なのか。有害を排除しなければ進められない政策。命の崩壊や経済・社会の犠牲も良しとして進める公益性とは何なのか。

文化芸術こそ訪日客の求め

無所属の会・本村賢太郎氏(比例南関東)

 訪日客が日本観光に求めるのは食や温泉など日本ならではの文化・芸術。アジアでカジノは既に飽和状態で観光立国推進にIRは必要ない。アベノミクスの失敗をカジノ収益で取り戻そうとしているのではないか。ギャンブル依存症対策が万全である根拠を示すべきだ。

依存症対策と両輪で推進を

日本維新の会・串田誠一氏(同)

 IRは外国人観光客数を増やし、地方創生の切り札になるが、ギャンブル依存症対策と両輪で進めるべきだ。日本にはパチンコ店がコンビニのように存在しており、外国人にはギャンブル大国と映る。公衆衛生施策の一環として国際水準の対策を講じる必要がある。

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