相模原市南区内の拠点間を結ぶ新交通システム導入を検討してきた市は、今後10~20年以内に新交通システム導入を完了させるとした基本計画案をまとめた。拡幅計画がある県道にバス専用・優先レーンを設置し、一度に約130人を運ぶことができる連節バスを段階的に導入して、定時性・速達性の確保を図るという。
計画案は、地元代表者や学識経験者、公募市民、交通関係者らでつくる検討委員会が2015年1月にまとめた答申を踏まえて作成。ミニ地下鉄やモノレールなどと比べて安価で段階的な運用が可能となる「新しいバスシステム」を導入すべきと結論付けた答申に沿った内容となった。
導入ルートは、小田急線相模大野駅から北里大学病院や女子美術大がある麻溝台地区を経由し、JR相模線原当麻駅に至る約9キロ。計画を短期(計画策定後3~5年以内)、中期(同5~10年以内)、長期(同10~20年以内)の3段階に分けて進めていく。ただし、県道拡幅事業の進(しん)捗(ちょく)によって、変動する可能性がある。
南区内の拠点をつなぐ新交通システム導入を巡っては、市は09年に基本計画案を提示したが、想定ルートの沿線住民から反対の声が上がり、市は計画案を見直した。
市は今回の計画案について21日まで市民から意見を募集し、11月に計画を策定する予定。