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川崎市監査委が改善要求
AEDすぐ使える? バッテリー期限切や南京錠で施錠

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年3月27日(火) 11:33

川崎区役所1階エレベーター前に設置されているAED
川崎区役所1階エレベーター前に設置されているAED

 川崎市監査委員は26日、心肺停止に陥った人の心臓の動きを簡単な操作で正常に戻す自動体外式除細動器(AED)の管理に関する行政監査の結果を公表した。市の庁舎や施設にある600台以上の全てのAEDがすぐに使えるかを調べた結果、バッテリーや機器の使用期限切れのほか、収納ボックスを南京錠で施錠していた事例など、不適切な管理が一部で見つかった。

 監査は昨年6月~今年3月に554施設の656台を対象に実施。改善を求める意見を出した。

 AEDは、品質や有効性、安全性を維持する耐用期間が設けられ、電極パッドとバッテリーの使用期限もある。しかし、川崎病院や井田病院などの19台がAED機器の耐用期間を超過していたほか、総合科学高などの3台でバッテリーの使用期限が切れていた。

 AEDを収納ボックスで保管する施設のうち、王禅寺中央小、南菅小、三田小はいたずら防止対策などのため南京錠で施錠され、速やかに手に取れる状態になかった。学校現場では、教職員不在の夜間や休日に市民が利用できる体育館などに置かれたAEDも198台中54台と少なかった。

 誰もが使えるよう施設入り口に掲示が必要なステッカーなども150施設で表示がなかった。日常点検を行っている施設は消防関連を除く607台中51台にとどまった。救命講習を受講した職員がいない施設もあった。

 市監査委員は結果報告書を福田紀彦市長に提出。施設ごとで管理にバラつきがあることから、統一的なマニュアルを作成し定期的に周知することなどを求めた。AEDの賃貸借契約を一括契約することで、契約金額の低減や管理の効率化につなげることも提案している。

 同市の施設内では毎年10人程度の心停止傷病者が発生。導入された2012年以降、これまで41人にAEDが使われ、社会復帰したケースも。市行政監査課は「これまで普及に力を入れてきたが、いざという時に使えることが大事。その視点で監査委員が監査し意見をまとめた」としている。

 
 

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