三菱ふそうトラック・バス(川崎市幸区鹿島田)と同市は9日、先端環境技術のイノベーション推進や安全・安心のまちづくりなどで相互に連携するため、包括的な連携協力に関する協定書を締結した。同社の電動ごみ収集車を市内の収集業務で使う実証試験も行う予定。
同社は世界最大の商用車メーカーであるダイムラーグループの一員。世界に先駆けて電気小型トラックの量産化を実現し、最新技術による環境負荷低減にも取り組んでいる。
連携・協力事項は、▽省エネルギー化、地球温暖化対策へ向けたイノベーションの推進▽災害時連携を含む安全・安心のまちづくり▽産業観光施策への協力など産業振興▽工場見学など子どもたちを地域で育てる環境づくり-の4点。
開発中のごみ収集車はリチウムバッテリー6個を備え、1回の充電による走行可能距離は100キロの予定。排出ガスや騒音は出ず、2019年春に実際の収集ルートに投入し、パッカーの電力消費を含む性能確認や使い勝手を試験する。車両費などは同社が負担する。
市役所で会見した同社のマーク・リストセーヤ社長は「川崎は三菱ふそうの創業の地でありホームグラウンド。環境に優しい社会をつくるビジョンは川崎市と共有しており、ともに次のステップに進みたい」。福田紀彦市長は「両者の関係をさらに深め、さまざまな社会課題に取り組みたい」と意欲を示した。
同市では、18年度から既に実証試験を終えた日産自動車製の電動ごみ収集車を導入する予定。