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横浜市18年度予算案 五輪見据え積極投資

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年1月31日(水) 02:00

2018年度当初予算案を発表する林市長=横浜市役所
2018年度当初予算案を発表する林市長=横浜市役所

 横浜市は30日、2018年度当初予算案を発表した。一般会計は1兆7300億円で前年度当初比5・1%増と実質8年連続のプラス編成となった。好調な経済環境を反映した市民税などの増収もあり、2020年の東京五輪・パラリンピックを好機と捉えた積極投資が目立った。

 一般会計の歳入は、堅調な雇用環境を反映した納税者の増加で個人市民税が増えたほか、企業収益の拡大で法人市民税も4年ぶりに増収となり、市税収入としては13・0%増の8126億円を見込んだ。このうち県費教職員の市費移管分(約842億円)を除いても1・3%増となった。

 歳出は、新市庁舎や横浜環状北西線など、20年の完成を目指して進める工事の本格化により、18年度は施設等整備費が約2500億円に膨らんだ。そのため市債発行(借金)は22・7%増の1716億円と大幅にアップしたが、新中期計画の4年間全体では市債発行額をその年度の元金償還予算額の範囲内に抑える横浜方式のプライマリーバランス(基礎的財政収支)を確保するとした。

 人件費、扶助費(福祉・子育て・医療)、公債費からなる義務的経費は3%増の1兆412億円。金額は過去最高だが、施設等整備費が膨らんだ分、歳出に占める割合は60・1%と4年ぶりに減少した。

 事業見直しにより、前年度(105億円)並みの116億円を捻出。財政調整基金から12億円、資産活用推進基金から40億円を活用する。

 主な施策では、中学生向け配達弁当「ハマ弁」の値下げや、国際園芸博覧会招致推進のほか、横浜・みなとみらい21(MM21)地区などで導入予定の連節バスなどに関連予算を付け、新たな劇場の検討調査費も付けた。

 子育て・教育では、保育所待機児童対策として、19年4月に向けて2476人分の新規整備を行う。保育士確保策として経験年数7年以上の全保育士を対象に、月額4万円の処遇改善も国の制度を補完する形で実施する。

 高齢者施策では、介護人材の確保策として介護職向け住居の借り上げ支援を始める。

 同日会見した林文子市長は今回の予算案を「市民が夢と希望を実感できるように大胆に前進させる予算」とし、「東京五輪などの飛躍に向けたチャンスを生かして、横浜の魅力アップや活力創出につなげていく。投資が集中しているが、施策の推進と財政健全性維持の両立を図る」と説明した。

「次世代へつなぐ」新中期計画



 横浜市は30日、2018年度から4年間で重点的に取り組む政策をまとめた中期計画の基本的方向を打ち出した。子育て支援や災害に強い都市づくりなど喫緊の課題への対応に加え、19年をピークに人口が減少に転じることを踏まえ、基盤となる経済活性化策やインフラ整備を盛り込む。林文子市長は同日の会見で「次の世代へしっかりとつないでいく。直面する課題と社会経済状況の変化に対応する」と述べた。

 中期計画では、超高齢社会が進展し、公共施設の老朽化が本格化する30年に向け「力強い経済成長と文化芸術創造都市の実現」「花と緑にあふれる環境先進都市」「人が、企業が集い躍動するまちづくり」「未来を創る強靱な都市づくり」など六つの戦略を設定した上で、4年間で手掛ける38の政策を示す。

 昨夏の市長選で林市長が掲げた公約も意識した内容で、待機児童対策や特別養護老人ホーム整備量の倍増(年間600床程度)を明記。「まちづくり」では山下ふ頭の再開発、「環境先進都市」では国際園芸博覧会の招致、「都市づくり」では災害対策や市営地下鉄の延伸(あざみ野-新百合ケ丘間)の事業化検討のほか、公共施設の計画的、効率的な保全、更新を示した。

 市長選後に林市長が打ち出した本格的な劇場整備も盛り込んだ。争点となったカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致については「白紙」(林市長)として触れていないが、今後の国の動向などによっては盛り込む可能性に言及した。

 中期計画は5月ごろに素案を示し、パブリックコメントを経て9月ごろに策定する。

緻密な経営管理を


 解 説 
 林文子市長の3期目初となる予算案は、2019年をピークに人口減社会に突入する大都市の将来を、積極的な経済活性化策で切り開こうとする「力強い予算設定」(林市長)となった。

 市内でも開催される東京五輪・パラリンピックを好機と捉え、20年の完成を目指して都心インフラ整備などの大型工事を本格化させる。18年度の施設等整備費は前年比約3割増の約2500億円まで膨らみ、市債発行も大幅アップした。

 市が独自で財政健全性の基準と定めた横浜方式のプライマリーバランスは、市債発行額をその年度の元金償還予算額の範囲内に抑えるものだが、18年度に約1700億円とした市債発行は元金償還を約250億円上回る見通しだ。

 市は今回の予算案で市債残高を含む一般会計が対応する借入金残高について「縮減」ではなく「管理」と表記した。林市長は「市債は縮減ありきではなく適切な管理が政策の自由度を増し、いいリターンにつなげることができる」との考えを示し、五輪前の2年間は将来への投資に踏み切り、後半の2年間で市債発行を抑えて、新中期計画の4年間では均衡を維持すると説明した。

 新年度の市税収入は増収を見込むが、市民1人当たり予算の31・6%を「子育て・教育」が占め、「福祉・保健・医療」(26・4%)が続く。扶助費は保育・教育にかかる給付費増加(100億円)などで同3・8%増加し、歳出に占める義務的経費の金額を過去最高に押し上げた。高齢化の進展で扶助費の増加は今後も避けられない。“攻め”の施策推進には、緻密なマネジメント力が求められる。

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