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豪華客船観覧へ再開検討 横浜ベイブリッジの展望施設

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2018年1月3日(水) 02:00

横浜港に初入港したマジェスティック・プリンセスを船から観覧する人たち(大黒ふ頭、2017年7月撮影)。大型客船を間近で観覧できるスカイウォーク再開への期待感が高まりそうだ
横浜港に初入港したマジェスティック・プリンセスを船から観覧する人たち(大黒ふ頭、2017年7月撮影)。大型客船を間近で観覧できるスカイウォーク再開への期待感が高まりそうだ

 横浜市は、横浜ベイブリッジ下層部の展望施設で2010年に利用を休止した「スカイウォーク」(同市鶴見区)の再開に向けた検討を始めた。横浜港・大黒ふ頭に着岸する超大型客船の市民見学施設としての活用を想定。同ふ頭に市が新設する旅客施設の完成時期と同じ19年春ごろの再オープンが実現すれば、第1船となる英国籍の「クイーン・エリザベス」(9万900トン)をはじめ豪華客船を間近で観覧できる環境が整うことになりそうだ。

 スカイウォークは、横浜港を一望できる観光やデートスポットとして20年にわたって親しまれてきた。所管する市道路局によると、利用者数の低迷で赤字運営が続いたため、厳しい財政状況の中で事業見直しの対象となり休止に。現在は電気や水道が止められ、業者による保全管理がなされている。

 転機となったのは、アジアのクルーズ市場の拡大による横浜港への寄港増と船体の大型化だ。桁下高約55メートルのベイブリッジを通過できない超大型客船が16年から相次いで横浜港に入港するようになった。

 ベイブリッジの内側にある横浜港大さん橋国際客船ターミナル(同市中区)を利用できない超大型客船は大黒ふ頭の貨物用岸壁で受け入れてきた。20年の東京五輪を控えて超大型客船の寄港はさらに増えることが見込まれている。

 そのため、国はベイブリッジ外の大黒ふ頭岸壁に超大型客船が着岸できるよう大規模な改修工事を開始。市は4千人規模の乗客に対応できるCIQ(税関、入国管理、検疫)施設を新設することにした。

 物流機能が集積している同ふ頭には客船の観覧施設はないため、市は見学者の立ち入りを制限する一方、遊覧船を使った海上見学会を開催してきた。ところが毎回抽選になるほど希望者が殺到したほか、周辺の海域では見学者を乗せた多くの船で混雑し、見学者への対応が急務となっていた。


開業したスカイウォークの展望施設から横浜港を望む(中央奥から)細郷道一市長と上野豊横浜商工会議所会頭(いずれも当時) =1989年9月、横浜市鶴見区
開業したスカイウォークの展望施設から横浜港を望む(中央奥から)細郷道一市長と上野豊横浜商工会議所会頭(いずれも当時) =1989年9月、横浜市鶴見区

 高い人気を誇る超大型客船を近くで見たいという市民の根強い要望を受け、市港湾局は見学施設の一つとしてスカイウォークに着目。旅客施設ができる岸壁に近く、停泊中の超大型客船の操舵(そうだ)室の高さに匹敵する位置に展望施設があることを利点として挙げた。

 ただ、開業から30年近くがたち施設の老朽化が進んでおり、再オープンには課題が多く残る。「一定規模に上る」(担当者)とされる整備費の見積もりを含めて、市は「整備の規模や運営方法などを丁寧に検討したい」と説明する。

 平原敏英副市長は昨年10月の市会決算特別委員会で「市民の客船に関する関心が非常に高く、多くの方々に客船の優雅なイメージを間近に感じてもらいたいと考えている。隣接の緑地や休止しているスカイウォークの活用を含めて、市民の皆さまの見学対応に対して総合的に検討を進めていく」と述べた。


スカイウォーク
スカイウォーク

スカイウォーク 1989年9月に自動車専用道路に併設された全国初の歩行者専用道路施設として開業。片道320メートルで、先端に円盤状の展望施設がある。入場者数は開業2年目の90年度に78万人を超えて以降、年々下降線をたどり、2010年9月に営業を終了した。


大黒ふ頭地区のCIQ施設と駐車場のイメージ図(横浜市港湾局提供)
大黒ふ頭地区のCIQ施設と駐車場のイメージ図(横浜市港湾局提供)

横浜ベイブリッジをぎりぎりでくぐって初入港した「クイーン・エリザベス」(2014年3月撮影)。スカイウォークが再開されれば、間近で観覧できる
横浜ベイブリッジをぎりぎりでくぐって初入港した「クイーン・エリザベス」(2014年3月撮影)。スカイウォークが再開されれば、間近で観覧できる
 
 

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