
川崎市は市役所本庁舎建て替え事業の基本設計をまとめた。高さ116メートルの超高層棟は、ガスと燃料を併用する非常用発電機を使って停電時でも業務を継続できる「災害に強い本庁舎」を目指す。
新本庁舎は、川崎区宮本町の旧本庁舎跡地約6千平方メートルに整備する。超高層棟と旧庁舎の時計塔など一部を復元した低層棟を整備し、二つの建物をアトリウムと回廊でつなぐ。
超高層棟は地上25階、地下2階で延べ床面積は約6万3200平方メートル。概算事業費は第2庁舎跡地の広場整備などを含め約440億円を見込む。
災害応急活動の中枢拠点として機能するよう防災・危機管理面の機能を大幅に強化する。非常用発電機とコージェネレーションシステムを備え、停電時は庁舎周辺に埋設されている中圧管からガスの供給を受け通常業務に必要な電力の90%を発電。ガス供給が途絶えても備蓄燃料で発電し7日間の電力を確保できる。
地震の揺れを抑える免震装置は水没しないよう3階と4階の間に設置。下水が途絶した場合でも排水を再利用してトイレを使用できるよう緊急汚水層と排水再利用設備も整備する。
低層棟は地上3階建てで延べ床面積約2千平方メートル。夜間や休日に官民協働の会議やイベントに利用できる会議室やカフェを設け、市民の交流拠点を目指す。
市は来年度に実施設計をまとめ、2019年度に着工する。新本庁舎は22年度、広場は23~24年度の完成を予定している。市は完成後、川崎駅周辺の11棟に分散している本庁機能を新本庁舎や第3庁舎などに集約する。
