県が来年4月に計画している組織再編について、黒岩祐治知事は21日の会見で、「県民局を廃止するから人権行政が後退するとは全く思っていない。時代に合わせた再編だ」と強調。庁内外の批判を否定し、部局横断的な取り組みをより強固な連携で進めていく考えを示した。
県は9月、県民局の次世代育成部門と人権男女共同参画部門を新設の福祉子ども局に、消費生活部門を安全防災局に分散させるなどの再編案を県議会に提出。市民団体や職員からは、多様性を重視する施策を進めてきた県民局の廃止を懸念する声が上がっていた。
知事は40年前に創設した県民局の現状に関し、「多様性とは良い表現だが、今となってはいろいろなものがありすぎる」と説明。新たな政策と一体で進める狙いではなく、子育て環境の整備や共生社会の実現といった今日的課題への対応力向上を図る再編案に理解を求めた。
一方、当初案に対する県議会の意見を踏まえ、福祉子ども局を「福祉子どもみらい局」、安全防災局を「くらし安全防災局」の名称に変更する考えも明らかにした。局設置条例の改正案は、開会中の県議会に提案する。