川崎市の福田紀彦市長が、今年12月31日に任期満了を迎える菊地義雄副市長(66)の後任を充てず、当面は三浦淳氏(65)、伊藤弘氏(60)の副市長2人体制とする方針を固めたことが17日、分かった。今月27日に開会予定の市議会第4回定例会に副市長人事案を追加提出しない考えを議会側に打診し始めた。
菊地氏の任期満了に伴う人事は、10月22日の市長選で再選を果たした福田氏が最初に手掛ける特別職人事として注目されていた。
関係者によると、福田氏は内外から人材登用しやすい来年4月の人事異動のタイミングで再び3人体制に戻す考えという。
市は現在、市総合計画の第2期実施計画(2018~21年度)の策定中で、副市長登用で局長以下幹部の異動が伴うと作業にも響きかねないため、福田氏が計画策定も最優先に考えて判断したようだ。
菊地氏は1974年に市に入庁。定年退職後、市信用保証協会会長だった時に抜てきされて2014年1月に副市長に就任。病院、市民・こども、健康福祉、総務局長を歴任し市政全般に精通しており、福田氏の評価も高かった。
地域包括ケアの構築に向けた「地域みまもり支援センター」設置を含む区役所組織改革などに大きな役割を果たした。3人の副市長の中で最年長であり、菊地氏本人も今期限りで後進に道を譲る意向が強かったとされる。同市は08年度以降、副市長の3人体制が続いている。