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18歳以下の均等割免除 大井町の国保税

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年12月14日(土) 10:58

 大井町は2020年度から、18歳以下の子どもを対象に国民健康保険税の均等割を全額減免する。子育て世帯の負担軽減に向け、黒字経営が続く国保税財政調整基金の潤沢な財源に着目。減収分は同基金を取り崩してカバ-する方針だ。全額減免は県内では中井町が第3子以降で導入しているが、すべての子どもを対象にするのは初めて。

 町によると、減免対象者は195世帯の計334人で減免額は約658万円。所得割も県の標準保険税率に近づける形で25%程度下げる計画で、総額約7886万円の減額となる。1人当たりの国保税額は約7万2千円に引き下げられ、県内最低となる見込み。


県西部2市8町の1人当たり国保医療費
県西部2市8町の1人当たり国保医療費

 高齢化の進行に伴い、国保経営は多くの自治体で“火の車”とされ、近年では税額の引き上げを決断する自治体もある。だが大井町は黒字経営が続いており、本年度も約6千万円の黒字を見込んでいる。

 要因には県内最低レベルの国保医療費がある。17年度の1人当たりの国保医療費は、最多の山北町から5位の南足柄市まですべて足柄上地域が占める。この中にありながら大井町は最下位の33位で、山北町とは10万円の差が開いている。

 ただ、医療環境はほぼ同水準とされ、担当者も「なぜだか分からない」と首をかしげる。町内には自営業者が多く、ささいな病気は近くのドラッグストアを利用して自分で治すという推測もあるが、確証はない。

 増え続けた同基金の残高は、本年度末で約3億8千万円を見込む。同規模自治体は通常5千万~1億円で十分とされ、町は「適正に徴収しても利益が出ている。被保険者の健康努力のおかげ。その分を負担軽減に回したい」としている。

 国保税額の徴収額を減らす一方、毎年2千万円ほど基金を取り崩すことで健全運営を維持する考え。町は10年ほど継続可能とみているが、状況の変化なども予想されるため3~5年ごとに見直しを検討するとしている。

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