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県庁組織再編に波紋 人権擁護推進の県民局廃止案

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2017年11月5日(日) 02:00

 県が来年4月の実施に向けて打ち出した県庁組織の再編案を巡り、庁内外に波紋が広がっている。子どもの貧困や児童虐待の対策を進める「福祉子ども局」、東京五輪を見据えた「国際文化観光局」などの新設を柱とする機構改革案。黒岩祐治知事の意向を踏まえた時代に即した提案とするが、40年にわたり人権意識や多様性を育む中核を担ってきた「県民局」を廃止して機能を分散させる大改造に異論が相次ぐ。


 開会中の県議会に県が報告した本庁機関(知事部局)の再編案は、局の統廃合を伴う13年ぶりの大規模改編。現行の9局体制を10局に増やし、社会情勢の変化に合わせて重要課題への迅速かつ的確な対応を目指すとしている。

 福祉子ども局の新設は、所管範囲が広く喫緊課題を多く抱える保健福祉局の見直しが狙い。県民局の次世代育成、人権男女共同参画の両部門と保健福祉局の福祉部門を統合し、私学振興事業などもカバーする。保健福祉局の保健医療、生活衛生の各部門は新設する「健康医療局」が担う。

 国際文化観光局は、県民局の国際部門と文化部門、産業労働局の観光部門を一体化させて整備。国内外の観光客誘致に向け、魅力ある神奈川づくりを効果的に進めるとしている。このほかの県民局の事業は、消費生活部門を安全防災局に、NPO協働推進部門などを政策局に分散させる。


 廃止を決めた県民局は、長洲一二知事が1977年に創設した全国の自治体の草分け的存在だ。女性や青少年、消費者、外国人ら多様な立場の権利擁護を推進し、社会の人権意識形成に向けた取り組みをリードしてきた歴史がある。

 県職員の中には「閉鎖的で差別がはびこる今の時代こそ、人権尊重や共生社会の理念浸透に重点的に取り組むべき」(幹部職員)との考えが根強く、一部からは「『黒岩カラー』を前面に押し出すことで、個人の尊厳を保障する社会づくりを進めるという自治体の根幹が希薄になりかねない」との声まで聞こえてくる。

 県議会でも、来年4月で残り1年となる黒岩知事の任期を踏まえた再編時期に対する疑問の声や、県行政改革推進本部での議論を省いた検討過程に「拙速」との指摘が上がる。市民団体からは「再編の意図が分かりづらい」といった批判の声が寄せられている。

 県は「県民ニーズに応じた執行体制を追求しており、現状からの後退とは考えていない」などと説明しており、関連条例の改正案を今月下旬に提出する方針だ。

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