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中学給食で紛糾、補正原案・修正案とも否決 大磯町議会

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年12月5日(木) 06:00

賛成少数で町が提出した一般会計補正予算案を否決した大磯町議会=3日午後11時5分、大磯町
賛成少数で町が提出した一般会計補正予算案を否決した大磯町議会=3日午後11時5分、大磯町

 大磯町立中学校の給食が残食率の高さや異物混入で2017年から休止している問題に絡み、同町議会(定数14)は3日、町が給食再開に向けた事業費を計上した一般会計補正予算案と、町議が対案として提出した予算修正案をいずれも賛成少数で否決した。原案と修正案が賛成同数で否決されるという、専門家も「聞いたことがない」とする前代未聞の事態。補正予算案に盛り込まれた台風被災者への補助金や保育施設の財政措置も執行できなくなり、町民生活への影響は避けられない情勢だ。

町議会、未明の激論「誰も得せず」
大磯町、中学給食再開へ予算計上 自校式調理室の設計費

他分野予算に飛び火 被災者補助金も執行できず


否決された大磯町の一般会計補正予算案の主な内容

 町が提出した補正予算案は19年度一般会計予算を1億3千万円増額し、総額117億円とする内容。「自校式」による給食再開に向け、町立中学校2校に調理室を建設するための基本設計委託費約1460万円も盛り込んだ。

 しかし、深夜に及んだ本会議は給食問題を巡り議論が紛糾。町が示した総事業費が当初から3億円以上膨らんだことに「説明不足。立ち止まり議論を深めるべき」と反発が強まり、一部町議が給食関連予算を削除した修正案を提出した。

 原案と修正案の採決では、議長を除く13人のうち賛成がそれぞれ6、両案に反対は1。地方自治法に基づく議長裁決は可否同数の場合にのみ行われるため、両案とも過半数に達せず否決となった。この結果、町は給食以外の予算も執行できない事態に陥った。

「議会は町民に説明責任」

 町は当面、本年度予算の残額で工面するとするが、別の手で予算を確保できなければ来年3月末に財源が枯渇するとされる。中でも災害対応に充てる予備費は当初予算の3千万円を台風15号、19号の被害復旧に充てており、残額は30万円以下。補正に計上した3千万円は見込めなくなり、町は「今、大きな災害が起きても復旧対応に何もできない」と危機感を募らす。

 台風15号で被災した町内の農家3件に国、県と交付予定だった被害施設改修補助金も支払い不能に。特別会計の国民健康保険も還付金約190万円分の財源不足が見込まれるという。

 幼児教育・保育無償化に伴う予算も影響を受ける見通しだ。認可外保育所などに通う保護者約100人を対象とした施設等利用給付費計約2200万円は、支払いが滞らないよう対応を協議するとしている。

 高橋英俊議長は「多くの議員が最後まで悩んだ結果。一刻も早く中学校給食を実現したいという思いの中で結果的に町民生活に影響が出るようになったのは申し訳ない」と陳謝。中崎久雄町長は「否決による町民生活への影響を考えると、早急に対応する必要がある」と、議会側と事態打開に向けて調整する意向を示している。だが、町幹部は「初めて直面する事態でどのような手続きを進めればいいのか。先行きが分からない」とこぼす。

 地方議会に詳しい山梨学院大学の江藤俊昭教授は「イエス・ノーの判断になりがちな議会で修正案を出す姿勢は正しい」とした上で、「議会は町民に説明責任を果たし、行政は早急に手だてを打つべきだ」と指摘した。

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