衆参両院は29日の本会議で、カジノ管理委員会の政府人事案を可決し、正式に承認した。統合型リゾート施設(IR)のカジノ運営を監督する管理委は、内閣府の外局として来年1月7日に設置。カジノ事業者の免許審査や交付をはじめ、マネーロンダリング(資金洗浄)やギャンブル依存症の対策を担う。
構成は5人で、委員長に元防衛省防衛監察監で福岡高検検事長も務めた北村道夫氏、委員に元警視総監や精神科医ら4人を充てる。衆参本会議で立憲民主、国民民主、社民3党などの共同会派と共産党、れいわ新選組は反対に回った。
本会議に先立つ衆院内閣委員会では、立民の阿部知子氏(12区)が人選を問題視。北村氏が防衛省の日報隠蔽(いんぺい)問題で十分な調査を怠ったとし、「到底信頼を得られない」と指摘した。武田良太内閣府特命担当相は「高い中立性、公正性が求められる委員長にふさわしい人物だ」と理解を求めた。