台風19号で自宅に住むのが困難になった被災者に対する相模原市の主な居住支援策が出そろった。民間賃貸住宅を借り上げる「みなし仮設住宅」の入居希望の受け付けを新たに始めたほか、仮設に入らない被災者を対象とした住宅の応急修理制度もスタート。市は、独自事業として先行実施している宅地内の流入土砂の無料撤去と併せ、活用を呼び掛けている。
市は19号が上陸した10月12日に災害救助法を適用。同法に基づいた支援策として29日から、みなし仮設と応急修理の申請を受け付けている。
最長で2年居住できるみなし仮設については、全壊や半壊の世帯だけでなく、ライフラインの途絶や二次災害の恐れがある場合も対象に加えた。
市内の民間賃貸住宅の中から、単身世帯で家賃5万5千円以内、3~4人世帯は8万5千円以内といった条件を満たす物件を希望者が探し、市の審査を経て入居する。家賃や共益費、礼金などは市が負担し、光熱費や駐車場代は被災者が支払う。
一方、仮設に入居しない場合に利用できる応急修理は、一部損壊の中でも被害割合が高い準半壊から大規模半壊までの世帯が対象。大規模半壊と半壊の修理に最大59万5千円、準半壊には同30万円を公費で負担する。住み慣れた家に継続して居住できるのがメリットだ。
また市は、宅地の所有者(住宅を併設した中小企業も含む)に対して、敷地に流入した土砂やがれきを無料で撤去する独自事業を実施している。27日までに115件の申請があり、委託業者による現場作業が始まっているという。
市建築・住まい政策課は「生活再建のため、被災者の状況や暮らし方に応じて選択できるようにした」と説明。津久井、相模湖、藤野の各総合事務所で受け付けているほか、今月1日は鳥屋、青根の両出張所、5日は串川、青野原の両出張所に臨時窓口を設ける。
問い合わせは、市の専用ダイヤル電話042(707)7041。