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80年親しまれた市庁舎 川崎市が「さよならイベント」開催へ

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2016年9月28日(水) 02:00

建てられた当時の市役所本庁舎。現在の4階建てではなく、3階建てと2階建てとなっていた(川崎市提供)
建てられた当時の市役所本庁舎。現在の4階建てではなく、3階建てと2階建てとなっていた(川崎市提供)

 川崎市は10月14~16日の3日間、高層の庁舎に建て替えるために年内にも解体する市役所本庁舎(川崎区宮本町)で「さよならイベント」を開く。80年近く市民に親しまれてきた市庁舎の魅力を味わってもらおうと、歴史を振り返るトークイベントや庁舎見学会、コンサートなど多彩な催しを企画している。

 イベントは午前9時~午後5時(14日は午後1時~)。入場無料で予約不要だが、一部の企画は当日先着順となっている。

 庁舎のシンボルである時計塔内部の鉄骨階段の一部を初公開。高さ36メートルある時計塔は戦時中は迷彩色に塗られ、敵機監視のために防空監視哨員が詰めたことで知られる。3日間で全5回開催し、先着順で案内する。

 また1959年の増築時の設計者や元防空監視哨員が思い出を語るイベントは15、16日午前10時45分から。川崎市在住のピアニスト小川典子さんのコンサートを15日午後2時から開く。本庁舎の壁に自由に落書きするアートイベントや市民から寄せられた写真展も行われ、ガイド付きの庁舎見学ツアーもある。

 市は約430億円を投じ、耐震性能に問題がある現在の本庁舎の解体後に116メートル以下の超高層棟と低層棟を建設。最短で2022年度の完成を目指し、複数の民間ビルに分散した本庁舎機能を集約する予定。本庁舎の解体後に時計塔を含む外観の一部を1938年の建築時の姿で低層棟に再現する。

増築設計を手掛けた原さん「さみしい」




 川崎市役所本庁舎は1959年に3階建てから4階建てに増築し、現在の姿となった。一大工業地帯を抱え、戦中・戦後の急速な人口増に伴い拡大する行政組織を収容するため、建て替えによる高層化や小杉(中原区)への移転なども検討されたが、元のデザインを残せる増築案に落ち着いたという。

 「市が発展していく中で南端に本庁舎があるのもどうかという意見があった。小杉に移転した後に本庁舎を博物館に転用するアイデアもあったね」。当時、若手技術職として庁舎増築の設計を手掛けた元市建築局長の原寿幸さん(89)=宮前区=は懐かしむ。

 原さんは担当した川崎球場などの設計の仕事が庁内で一目置かれ、本庁舎の増築でも白羽の矢が立った。曲折を経て穏当な増築に決まり、当時の金刺不二太郎市長は「古いデザインを崩してはならない」と命じたという。

 川崎で育ち、建築を学んだ原さんも本庁舎のデザインを気に入っていた。

 「シンメトリー(左右対称)の建物は威厳と伝統を表し、国会議事堂や神奈川県庁に採用されている。でも川崎市役所は違う。少し崩した感じが身近な印象で、時計塔がすっと伸びていてスマートに感じた」

 38年の建築時の設計図などは散逸していたものの、構造計算書を設計者の元田稔氏から取り寄せた。3階建てを4階建てにし、北側に新たな4階建ての棟を設け、外観は一体のものに見えるよう仕上げた。

 「建て替えはさみしいけど、川崎がそれだけ成長しているわけで時代の流れだね。新しい庁舎も市民に愛される存在になってほしい」


1959年の4階増築時に設計を担当した原さん=川崎市宮前区
1959年の4階増築時に設計を担当した原さん=川崎市宮前区

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