公文書開示を請求された会議の音声データを消去したと職員が川崎市情報公開・個人情報保護審査会などで虚偽の説明をした問題で、市教育委員会は3日、法令順守の徹底や職場でのコミュニケーションの確保を図るなどとする再発防止策を明らかにした。同日の市議会文教委員会で公表した。
市教委によると、市内の女性らが2014年9月、市立高校の教科書採択に関する会議の音声データを開示請求。これに対し市教委は「公文書ではない」と不開示としたが、女性らが同11月に異議を申し立て、市教委が審査会に諮問した。
審査会では、担当課長が実際にはデータがあるのにも関わらず「会議録作成後にデータを消去した」と説明。その後、共有サーバーとUSBメモリーにあったデータを順次消去した。
一方、審査会は「音声データは公文書に当たる」と答申。女性らが16年12月、データ消去の損害賠償を求めて提訴したことを受け、市教委が調査したところ問題が発覚した。
市教委は、問題が生じた要因として、(1)読みやすさの観点から文言を整理した会議録と音声データの違いを指摘されることを回避したかった(2)説明が虚偽だと判明することへの恐れがあった(3)組織のチェック機能が働かなかった-とした。