
喫食率の低迷が続く、横浜市立中学校の希望者向け配達弁当「ハマ弁」。事業者と結んだ協定の期限が2021年3月末に迫る中、市や市教育委員会の判断に注目が集まっている。6日に開かれた市会第3回定例会本会議で、4氏が一般質問で取り上げ、ハマ弁を基本とする「横浜型給食」や、校内に調理室を設けた「自校方式」での給食実現を求めた。これに対し、林文子市長は年度内には21年度以降の方向性を決める考えを示すにとどめた。
「目標とする喫食率20%に本年度、到達するかどうかが、ハマ弁を継続するか否かの判断基準とならなければならない」。一般質問でそう指摘したのは、荻原隆宏氏(立憲・国民フォーラム)。「一体、どのような場合、継続しないと判断するのか」と市長に迫った。
市長は「8月の喫食率は5・6%。中には40%近い学校もあった」と強調。ただ8月は夏休み明けの5日間のみ。5%強が過去最高水準とはいえ、目標値には程遠い。市長は「選択制の充実に向け、年度内をめどに21年度以降の方向性を決める」と述べるだけで、継続か否かの基準には明確に答えなかった。
生徒や保護者からは「周りが頼まないから、利用しにくい」との声が上がる。木内秀一氏(公明党)はこうした実情を踏まえ、同党が昨年度に打ち出した、ハマ弁を学校給食法の「給食」と位置付ける「横浜型給食」を実現すべきと主張した。
同党の考えに、鯉渕信也教育長は3月の市会予算特別委員会で「学校給食法に基づくハマ弁のような仕組みを検討する」と答弁、一定の理解を示していた。
三輪智恵美氏(共産党)はこの答弁を取り上げ、「中学校給食に一貫して背を向けてきたこれまでの経緯からすれば、注目すべき動き」と評価。ただ「ハマ弁の給食化は市民が求めているものではない」とし、あくまで自校方式を求めた。梶尾明氏(立・国)も「早期に、学校給食法に基づく給食を実施すべき」と訴えた。
これに対し、市長は▽ハマ弁は他都市のデリバリー給食と比べても遜色ない▽小学校で提供されるような給食は、コストやスペースの面から困難▽ハマ弁を給食と位置付けるには供給体制などに課題-と従来の見解を繰り返し、議論は平行線をたどった。
市教委は今後、生徒や保護者らが対象のアンケートや有識者を含む懇談会での意見を参考に、方向性を決めるとしている。