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IR考
IR・一問一答(7)無所属・豊田氏

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年9月7日(土) 12:00

豊田 有希氏(無所属)

 市長の記者会見、本日と幾度となく口にしているが、市がIRを誘致しようとする大前提として、財政再生に資する仮説がある。しかし、日本型IRは、世界有数の人口密集地である東京圏に、自国民を主たるターゲットにした世界でも類を見ない政策。経済効果がある前提自体に大変疑問を感じる。そこで、自国民の財布をあてにして巻き上げる。そのお金はどんなに少なく見積もっても、巻き上げるのは数千億を超えることが想定される。そのお金をさらに事業者等と山分けして、その一部が再度還元される構造。市長はこうした自国民の財布を、財産を大きく目減りさせていくこの構造で、本当に全体の経済成長に寄与すると考えているのか。ぜひ、その論拠も合わせてうかがう。

 次に地域経済の影響についてうかがう。IRはその区域内にカジノの他にも、大規模なショッピングモール、飲食店とあらゆる観光消費需要に応えるものが併設される。その区域内での消費額は、市の提出した資料によると、4500億円から7400億円と大きなもの。しかし、一般にそうした施設ができれば、当然周辺の施設は大打撃を受ける。大規模施設、テーマパーク周辺の自治体、商店街はほぼ例外なく、同様の問題が起きる。IRの立地で市内における観光消費がIR区域内に吸い取られる恐れが高いと考えられる。その対策、ご見解をうかがう。そうでない場合は論拠をお答えください。

 経済効果の雇用創出効果について。発表では、その規模も7万7千人から12万7千人と非常に大きい。雇用創出は従来の経済政策では主要な目的だし、実際シンガポールでは、IRにより失業率が改善したことが成功モデルと言われる根拠の一つ。しかし、目下の現状はどうか。現在でも、かつてなく深刻な人手不足に、中小零細事業者、サービス業、福祉などの現場は悲鳴を上げている。市内でも、操業停止や廃業に追い込まれる例が多数生じている。そして、開業すると言われている2020年後半以降では、いよいよ外国人労働者を大規模に受け入れでもしなければ、とても日本の経済・社会活動は維持できないと言われており、その対策を急いでいるのが今の全国の状況。こうした中で、このような莫大(ばくだい)な人数の働き手を吸収する施設を近隣に置いた場合、地域の経済活動、社会活動の担い手不足は現状想定している以上にさらに危険な状況に陥る。そこで、IR立地が引き起こす途方もない規模の人材、働き手不足に対して、どのように対処されるつもりか。空前の人手不足の折りに、むしろマイナス効果かもしれない。このように、お金も人もどんどん吸い込むIRという装置は、地域経済の振興どころか、周辺地域の経済、とりわけ中小零細事業者に対してとどめを刺しかねない存在。それでも市長は、地域経済は良くなると言っている。その論拠をうかがいたい。

 財政効果に関して。自治体の増収効果はあるが、治安、依存症などの対策に加えて、中小零細の経営圧迫、働き手の確保、IRに付随して増えるだろう来場者の混雑の対策、多数の外国人従業員などの受け入れ、事業の管理や監督など、歳出増の要因要素は思い付くだけでかなりの数量。さらに、カジノが立地して市民生活、社会が少しでも不安定化すれば、社会保障費は想定を越えて、それこそ雪だるま式に膨れ上がる。そうした中、市長としてどういう計算でIRが中期的、長期的な財政改善に資すると言い切れるのか。年金や保険、社会保障が数十兆円単位で危機にひんしていると言われる中、社会福祉制度の破綻を食い止めるために、政治行政は最大限努めてきた。今まさに社会保障の建て直しという名目でさらなる消費増税も行われるタイミングであって、こうした方針を独断で発表したことに大変失望している。IR誘致に関しては明白に反対であると申し上げて質問を終わる。

IRで全体の経済成長に寄与すると考えているのか。その論拠は。

 (市長)日本型IRは、観光の振興、経済の振興、財政の改善に資することを目的に制度化され、国の成長戦略の一つであると認識している。IR整備法が目指す国際競争力が高い滞在型観光を実現し、経済成長に結び付けるには、世界水準のMICE施設などを最大限生かして、より多くの外国人観光客の誘致が必要と考える。

市内の観光消費がIR区域内に吸い取られる恐れが高い。その対策、見解は。

 (市長)IR区域内の大規模なMICE施設などでビジネスの機会が創出され、経済効果を広範囲に及ぼすものと考える。また、IR推進と併せて、周辺地域の魅力向上に努めるとともに、IRと周辺地域が連携することで相乗効果を生み出す。先進事例のシンガポールでは、二つのIRの動きに伴って、外国人消費額は10年足らずで倍増するなど周辺地域のシャワー効果が確認されている。

人手不足の中、莫大な働き手を吸収するIRに対して、どのように対処するのか。

 (市長)働き手不足についてだが、横浜市民にとって雇用の選択肢が増えるとともに、国内外からの働き手が、つまり、人口増にも貢献する魅力あるIRを実現したい。IRについては、国際観光都市にふさわしい専門人材の育成が不可欠。市の作成する実施方針で、開業前から人材育成を事業者に求めている。IRだけでなく地域の人材を創出するよう進める。

地域経済が良くなる論拠は。

 (市長)周辺地域の経済活動の影響だが、IRによりビジネスの機会が創出され、経済効果は広範囲に及ぶ。中小企業の振興基本条例の趣旨を踏まえて、大規模な市内企業が発注できる仕組みなど、地域の事業者へIRの効果を行き渡らせるよう検討する。IRが財政改善に資するのは、調査の結果では820億~1200億円の地方自治体の増収効果を想定している。ギャンブル依存症や治安の悪化など懸案事項に関する対策などの費用については、今回の補正予算案で依存症実態調査に3千万計上している。これらの調査結果を踏まえて、実施方針や区域整備計画で明らかにする。

【再質問】

 (豊田)地域経済の振興に関して質問。新たなビジネスの創出という話がある。カジノ、IRでどういったビジネスの創出の考えがあるのか。あり得るのか、それを再質問とする。

 (市長)市は観光MICE事業に力を入れているが、IRができることで、市内外、特に全国的にそれを目指して、インバウンドについて、これそういう意味では、インバウンドで外国の方がみえて、飲食、宿泊、そういうことによって観光消費が落ちていくのではないかと。MICEで、今でも大変世界的な人気だが、新たな最高レベルのMICE施設ができるということで、さらに横浜市が認知されて、大変大きな経済発展につながると考えている。

8人の質問と、市長の答弁の詳報 ⇒ IR誘致、一問一答 横浜市会で論戦

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