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IR考
IR・一問一答(4)共産・河治氏

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年9月7日(土) 11:54

河治 民夫氏(共産)

 市長は8月22日の記者会見で、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)を正式誘致表明したが、あまりにもひどいものだ。

 その1は、市民の意見も聞かず、また圧倒的多数の市民が反対していることを承知の上に、誘致に踏み切ったこと。

 カジノについての世論調査では、いつでも市民の6、7割の人が批判的であり、反対していることが報道されている。2017年の市長選挙では、カジノ誘致については「白紙状態」との態度表明での3選だった。今、誘致表明されている大阪など、他の自治体の首長は、誘致を選挙公約に掲げていた。民意を問う手続きを踏まえている。民意に問うことなく誘致宣言することは、だまし討ちであり、市民を愚弄(ぐろう)するものだ。このまま市民が見過ごすことはあり得ない。市長、市民に是非を問う機会をなぜ作らなかったのか。

 昨年12月11日の本会議で、「白紙から態度を決める前に、どのように民意を問うのか」とのわが党の質問に対して、市長は「公聴会ではなくて、その前に横浜市としては市民の皆さまからご意見をうかがう機会や具体的な方法について検討している」と答弁されている。

 この間、西区公会堂など4会場での市民説明会が行われたが、12月議会の市長答弁で言う「市民の皆さまのご意見をうかがう機会」とは到底、認めることはできない。8月22日の誘致宣言は、本会議での答弁を全く無視したことになり、議会制民主主義の冒涜(ぼうとく)そのものだ。市長は二元代表制を重視するという市長の持論は撤回されたのか、うかがう。

 その2は、賭博であるカジノについての市長の認識について。

 市長は決断した理由について、「横浜の20年、30年先を見据え、われわれの子供たちの世代においても、将来にわたり成長・発展を続けていくためには、横浜においてIRを実現する必要があると判断した」「将来にわたり成長、発展を続けていくためには、IRを実現する必要があるとの結論に達した」と述べた。しかし、カジノは何の価値を生むこともないものであり、どんな言い訳をしようとも賭博には変わりない。

 日本では今日、賭博は刑法で禁止されている。かつてわが国の最高裁判所は、次のように判示した。賭博行為は「国民として怠惰浪費の弊風を生ぜしめ、健康で文化的な社会の基礎を成す勤労の美風を害するばかりでなく、甚だしきは暴行、脅迫、殺傷、強窃盗その他の副次的犯罪を誘発し、または国民経済の機能に重大な障害を与える恐れすらあるのである」とある。

 カジノ資本は日本のマーケットに注目し、進出を狙っている。横浜市民の懐が狙われているのだ。どんなにギャンブル依存症対策が整備されても、どんなに財源確保のためだとしても、非道徳的なものへ行政が踏み切ることは間違いではないか。市長、将来のまちづくりの財源確保が目的だとしても、また国が特定区域に限ってカジノ収益の社会還元、運営主体の免許制など八つの条件が備わったとして適法化しても、カジノが賭博であることには変わりはない。賭博であるカジノを、市長自身どう思っておられるのか、うかがう。

 その3は、市民にとって大きな不利益になるインフラ整備については、一切触れてないことだ。

 調査報告書その4では、カジノ業界が事業実施に伴う交通インフラの例として、「その1、元町・中華街駅を終着駅とするみなとみらい線を域内まで延伸することで、東京・横浜・埼玉方面からの大量輸送に対応可能となり、広域アクセスが向上。その2、元町・中華街駅からの歩行者ネットワーク拡充。その3、高速道路と直結した新たなアクセスの整備が必要不可欠。その4、臨港幹線道路の延伸による新たな交通アクセス。その5、横浜駅・羽田空港・東京と水上交通と結ぶなど」を挙げている。IR推進事業に伴うこうした基盤整備は本市の負担、市民の負担になるものだ。交通手段やその規模は調査で決めるとのことだが、IR推進事業のインフラや交通アクセス等検討調査費として、7500万円計上されている。

 これらの事業費見込みは、わが党の試算によれば、臨港幹線道路を新港ふ頭から山下ふ頭へ延長するだけで、300億円かかる。みなとみらい線では横浜駅から元町駅までの4・1キロは総事業費2600億円で、1キロあたり634億円でした。これを単純に0・5キロ延伸すれば事業費は317億円にもなる。首都高と南本牧ふ頭を直結する事業は約600億円だった。どのような基盤整備になるかは今後の調査になるが、IR誘致に必要不可欠な、莫大(ばくだい)な市費負担となる巨大な基盤整備についての説明は、誘致宣言された記者会見では一切、されていない。市にとって都合の悪いことを意図的に外したのではないか、との市民の指摘に対する市長の見解を伺い、1回目の質問とする。

IR誘致表明前に市民に是非を問う機会をつくらなかった理由。

 (市長)市第76号議案についてご質問いただいだ。市民の皆さまに是非を問う機会をつくらなかったことについてだが、現在は、日本型IRの仕組みを十分にお伝えできていない中で、IR=カジノと捉える方が多く、ギャンブル依存症の増加や地域の治安への影響に対する不安の声を多くいただいている。そのため、まずは世界最高水準のカジノ規制の内容、治安や依存症の対策に関する国の取り組みや横浜市の考えをしっかりとお伝えしていくことが必要と思う。

 なお、民意の反映方法については、IR整備法で都道府県の同意、公聴会の実施、議会の議決などが規定されておりまして、今後の国からの情報も参考にしながら引き続き、検討していく。

 本会議でご答弁した民意の反映について、6月に行った説明会は、平成30年度に実施した調査結果について、市民の皆さまにご説明したもの。当日はIRに対して厳しいご意見をもらったほか、アンケートでは市民の皆さまのご不安な点や、説明会により理解が深まったという結果もあった。今後も市民の皆さまに、IR実現に向けた本市の考え方や、今後の調査結果など検討の進捗(しんちょく)に合わせてご説明し、ご意見をいただく機会を設けていく。

市民の意見を問うとの議会答弁を順守しなかったことの重大性。

 (市長)カジノについての認識だが、IRにおけるカジノ制度と刑法の賭博に関する法制との整合性については、IR整備法の検討の際に、目的の公益性など八つの観点を基に検討されている。その検討の結果を踏まえ、昨年7月に成立したIR整備法によって、わが国においては、免許を取得した事業者がIR区域内でカジノを設置・運営することが合法化されたと認識をしている。

カジノ誘致に伴う基盤整備への巨額な市民負担をオープンにしなかった責任。

 (市長)IR誘致に関する都市基盤整備について、IRについては、民設民営を前提としつつ、公募により選定された事業者と、自治体が一体となって区域整備計画を策定する開発手法だ。IR区域内外の基盤整備などの費用や、官民分担については、今後のサウンディングや専門的な調査を踏まえて、実施方針を策定する中で、明確化をしていく。

再質問】

 (河治)私はIRについて市長に聞いたのだが、答弁を聞いてがっかりした。私は市長が是非についてなぜその機会をつくらなかったのか、と聞いたことについては一切答えられなかった。

 先ほども例も出したが、大阪などでは選挙戦において、カジノについてやるかどうか、やるという立場で選挙がやられたことと、市長が昨年の選挙戦でやられたこの部分についての意思表示がなされてなかったことについて、大きな開きがある。民主主義政治だから、市民の意思を聞く、これは当然ではないか。私は市民に対する説明をしろ、決めた後の説明をいくらやっても是非を問う、決める前の是非を問うということにはならないものであると思う。このことについて再度お答えいただきたい。

 それから、カジノの非道徳的なことについて市長自身、どのように感じているか。私はしっかり非道徳的なことについて市長の、ご自身の思いを聞かせてくださいと問うた。しかし、そのことについても何ら答えられなかった。カジノによって、今後の財政基盤を確立し将来のまちづくりに大きく生かす、税収が大きければ大きいほど、そのカジノによって苦しむ人たち、市民や国民が多くいる。そうしたことに対する非道徳的なことについての市長自身の思いはどうなのか、そのことを私は答えてほしいと思う。そしてそのことをしっかり、市長が市民と同じようにカジノは道徳的にはまずいものだな、賭け事はまずいのだな、だから私はあのかつての最高裁の判例などについても示した。そうしたことも含めて市長自身の本当にカジノの非道徳的なことについてどのように思っているのか、再度おうかがいする。しっかりとお願いします

ばくちであるカジノに対する市長の認識。

 (市長)私は、このIRというのが、日本でやっていくということの報道を最初に聞いた時、私は経営者出身だったので、大変良いことだと思った。3期目の選挙戦の前まで市政を担当し、大都市であって、大変華やかに見えるのだけど、実際は、先生方もここで予算編成の時に感じていると思うが、非常に、今、大都市であっても税収が本当に厳しい、いつもギリギリのところでやらせていただいている。医療、保健、福祉、高齢者の皆さまの対策とか、そういうことにおいて、これからどんどんどんどん、ご承知のように人口減少もして、働き手が少なくなっていく中に、税収の低下も考えられるし、さらに、今現在も大変なよそとの格差もあるということで、考えてこれは有力な方法だと思った。

 しかし、その時に、市民の方とか、まぁ経済界の方はその時にいいなと言ってもらったが、選挙戦の中でもそういうふうに言う方もいた。そこで、やはり慎重に考えなくてはいけないということで、もう一回、白紙ということで、長く、実際的な研究、検証をしてきた。そして、私自身は、ここで皆さまに誘致する方向だと発表して、これから、どうしてもIR=カジノそういう風にお考えの方が多いですけども、本当にIRというのはどういうものか、というのが伝わってないということで、これからしっかりご説明もして、なぜこれを横浜市が誘致していくのかということを、これから、ご説明をじっくりと私がしたいということだ。

 誘致をする方向に私は、私自身はやりたい。それと手を挙げていかなくてはならない。その時に多くの皆さまの、しっかりとしたご説明とご意見もうかがっていくということで、今回、先ほどから答弁している。

 ばくちであるカジノに対する認識ということはどうなのかということをはっきり言いなさいと言っていただきましたけども、私自身は、こういう賭け事というのは、あまりやらないのですが、公営ギャンブルというのがある。これは、競馬、競輪、競艇などがあるが、一つはそういう風に言えば、ギャンブル。人間の持っている一つの遊び心とか嗜好(しこう)の中に、そういうものが私はあるのではないかと思う。

 そういうことで全面的に否定はしないし、ばくちという言い方は、非常に日本的な言い方かもしれないが、やくざ映画で見る丁半ばくちみたいな、そういうイメージが、なんとなく暗い、陰鬱(いんうつ)な、それが何か暴力につながっていくようなイメージがあるのかもしれないけども、それはその面もあったと思う。

 これから、私はなぜこれをやりたいかというと、時代はすごく変わってきている。例えば芸術文化の世界にも、ICT(情報通信技術)とか、ご承知のようにプロジェクションマッピングだとか、人工知能(AI)さえ使ってやろうという時代。今までの経験値の中での、芸術文化活動であるとか、商業活動であるとか、ちょっと違うところで考えていかないといけないと思うし、それと、私は、何のために豪華客船を、クルーズ活性化の会長もやっているが、こういう7隻同時着岸など、いろいろな、リンクさせた政策の中で、私は考えて、トータルな判断だ。

 これはいろんなご心配があると思う。あっても、見解を申し上げた通りで、全てばくちが悪っていうか、不道徳だということとは違うんじゃないかな、人間の持っている闘争本能だとか、賭け事に対する何かの、なんて言ったらいいのか、私はあまり賭け事をやらないから分からないですけど、そういう一つのものではないのかなという気持ちもする。例えば公営ギャンブルの競馬は、やはり賭け事だと思う。それと、ダービーをご覧になったら分かると思うが、ものすごい人たちが馬に対する思いと、感謝というか、いろんな思いで、興奮してやっていますけど、それと全く違う賭け事という、全く現金でというか、キャッシュですね、お金そのもので賭けることに対する何かいろんな考え方はあると思うが、ちょっと先生に申し上げますけど、私は、公営ギャンブルとか、パチンコとか全面的に悪いとは思いません。それはその方の嗜好であるし、例えば生活の中での一つの楽しみかもしれない。

 そういう気持ちを、大変曖昧なお答えでございますけれども、やはり白だ黒だという風に、お答えできないというか、私自身も何かの戦略的に言っているわけではなくて、本当の気持ちから言って、私にもそういうことは申し上げられない。そういうことがお好きな方もいらっしゃると思っている。全て犯罪行為だとか、それと国が、こういう地域限定したところでは、要するに法律違反ではないということですから、それは大切なことではないかと思う。以上、ご答弁申し上げた。

8人の質問と、市長の答弁の詳報 ⇒ IR誘致、一問一答 横浜市会で論戦

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