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IR考
IR・一問一答(2)立憲・国民フォーラム・藤崎氏

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年9月7日(土) 11:49

藤崎 浩太郎氏(立憲・国民フォーラム)

 これまで白紙とされてきたIR導入について先日、市長は記者会見で誘致方針を示された。わが会派もこれまでカジノ誘致には反対を表明し、これまで各議員が議論を重ねてきた。改めて、なぜこのタイミングで、導入する、しないの判断をしていないと説明していた状態から、導入の方針に転じたか、確認したい。

 2年前の市長選から市長は、IR誘致について「白紙」としてきた。誘致表明後の市民の反応やメディアの報道からも分かるように、市長選当時から横浜の誘致には反対の声が多く、注目されてきたテーマだった。市長もそれを理解された上で、誘致方針を白紙としてきたが、選挙で掲げた白紙という、いわば公約を破棄し、誘致に転じることは大きな問題だ。市民に事前に説明することも、市民から納得してもらうことなく、公約とも言える白紙を撤回し、誘致に転じたことの責任をどう考えるか?

 市民、有権者から選挙で選ばれている政治家として、民意に向き合わないことは大きな問題だ。今からでも、改めて市民のIRへの意見、賛否を問い、誘致方針を見直すことは遅くない。

 記者会見では18区での説明会の開催や公聴会に関する言及があった。補正予算でも、広報関連の費用として3千万円が計上されている。大都市フォーラムのように、18区で開催するとのことだが、18区の公会堂の収容人数を合わせても1万人しか入場できない。17年の市長選の全投票数は約114万票。このうち誰一人として、誘致を表明している候補者には、投票していない。カジノ反対を明示した候補者には53万票が投じられている。説明会を開催するにしても、前回の市長選を考えれば、相当数の開催が必要と考える。18区での説明会は、各区1回だけか? それとも、10回、20回とより多くの方が参加できるようにするのか、市長の考えをうかがう。

 今回の補正予算案では、IR推進事業として、アドバイザリー支援のほか、業務委託にかかる予算外義務負担も計上されている。国からは認定申請の時期は明確に示されていないが、今回、令和2~3年度にかけての予算外義務負担の設定となっている。申請時期はいつ頃の見込みか? 設定期間の根拠をうかがう。

 先日発表された「IR実現にむけて」という資料や記者会見で、市長は、横浜市は日帰り観光客の割合が多く、宿泊者が少ないとの課題を指摘していた。しかし、市内のホテル稼働率は90%近い数字を維持してきた中で、宿泊者を増やすには宿泊施設を増やさなければならないことが課題とされてきた。宿泊施設が増えない中で、観光客が増えれば、日帰り観光客の割合が伸びるのは当然とも言える。果たして、この割合をもって東京都などと比較することが適切かも疑問だ。

 当初、山下ふ頭の再開発においては、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに一部供用開始し、宿泊施設などが建設される考え方が示されていた。しかし、林市長がIR導入の態度を一度表明し、その後、白紙にしたとはいえ、導入しないとの意志を表明しなかったことで供用開始時期が後退してきた経緯がある。

 現在も港湾事業者の方々から、カジノ導入に対する強い反対意見が出されている。IRで宿泊者を増やそうとしているようだが、宿泊者数の増加機会を失ってきたのは、まさに市長のIR誘致方針と言えるのではないか。

 本気で観光に関する課題を解決したいのであるならまずは誘致方針を撤回し、山下ふ頭の再開発が順調に行えるようにすることが必要だが、市長の見解をうかがう。

 先日の市長会見では、説明をすれば理解してもらえると考えている、という説明があった。先日、平成30年度の検討調査報告書の説明会が、市内4か所で開催された。アンケートも行われ、「理解を深めることができた内容」という項目の記述欄で、「ますます反対する気になった」「やはりカジノは必要ない」といった反対意見が高まったとの記述が見受けられた。説明し、理解してもらうだけでなく、納得してもらえるかどうかが重要ではないか。説明会を開催するにしても、しっかりアンケートで賛否を取り、民意と向き合う必要がある。18区の説明会では、アンケートを取り、賛否を確認し、その意見を受け止めるべきだと考えるが、市長はどう取り組んでいくか。

 市民意見を聞く方法として、市長はIR整備法に規定されている公聴会の開催を示している。公聴会について、法律上は「公聴会の開催その他の住民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない」とされていて、市民意見を聞き、反映させる方法は、公聴会に限る必要はない。

 本市の公聴会で言えば、横浜市都市計画公聴会規則や、建築基準法に基づく市公聴会規則が設けられているが、意見を述べるための手続き、人数の制限などがある。時間や、定員の都合で参加できないこともある。より多くの市民から意見を集め、反映させる方法を用意することが必要だ。

 市は今年8月、敬老パスの市民アンケートを3万人に対して実施している。12月には、第4期障害者プランの策定に向け、障害者手帳保持者の10%、およそ1万7千人を対象にアンケートを行う予定と聞いている。カジノについても同様にアンケートを行い、市民の賛否について意思を確認することも重要ではないか。

 市民意見を集めるためのアンケートを、3万人以上の規模ですべきと提案するが、市長の見解をうかがう。

 先日、横浜商工会議所からIR誘致に関する要請が出され、市長も真摯(しんし)に検討され、提案されたものと、好意的に受け止めているようだ。経済活性化は重要だし、市内にある約11万4千の事業所のうち、1万2千社の会員がいる横浜商工会議所の意見も重要だとは思う。一方、市のまちづくり、地域づくりの担い手であり、協働パートナーである自治会町内会からは否定的な意見が寄せられている。市の自治会町内会の加入率は73・4%で、123万世帯が加入している。その自治会町内会の会長が集まる場などでも、IRの説明不足への不満の意見やそもそも、IRへの反対意見が出されている、とうかがっている。

 普段から交流を持つ区役所でも把握されているのではないか。自治会や町内会といった、地域や市政に汗を流してくださっている人の意見に向き合わずIR誘致方針を打ち出した理由をうかがう。

 8月22日の記者会見で、経済界の方はやってほしいと言っているとの意見とともに「賛成の方もとても多い」の発言があった。市長が、「とても多い」という根拠が分からない。市長も議会などで触れられてきた通り、中期4カ年計画(2018~21年度)素案に対するパブリックコメントでは、IR関連の意見のうち反対意見が94%を占め、6月25、26日に4区で行われた説明会のアンケートでは、3の(7)その他欄には反対など否定的な意見が70%以上記され、2年前のメディアによる世論調査では、67%がカジノに反対、2年前の市長選でカジノ反対を明示した候補者には53万票が投じられ、先日は市民から抗議文が提出されるなど、市民から多くの反対意見が示されている。経済界の期待に向き合う一方、市民の反対意見に向き合わない理由は何か?

 IRについて白紙としてきたことで、横浜市の責任において行われる調査検討が十分に行われてなかった。平成26年度から毎年1千万円の調査費が計上されているが、そこで行われた調査は監査法人などがまとめられたもの。報告の際にも白紙という中で、やる、やらないを決めていないとの説明の下、調査報告がなされた。平成30年度の報告書では、経済効果なども示されているが、カジノ事業者からの情報提供された内容をまとめたものであり、横浜市が独自に調査分析したものではない。8月22日に公表された資料では、平成30年度の調査を基に、監査法人が整理した数字とされているが、元となる数字が事業者から出されたものであることに変わりない。カジノ、IRの整備は横浜市の将来に大きな影響があり、事業者が判断を下すものではなく、市が判断を下すべきものだ。

 (議場 そうだ!)。

 横浜市はこれまで、6大事業をはじめ都市政策に力を入れ、その都市計画は内外から高い評価が寄せられてきた。

 今回、山下ふ頭という、横浜市の将来の都市づくりにとって重要な場所での開発を行うわけだが、依存症対策や治安対策にかかる費用の分析がされておらず、市長は記者会見で、「これから精査する」と答えた。市が自ら試算やメリット・デメリットの評価を行い、カジノ以外の方法も並行して比較し、その上で導入の是非について市民と議論し、検討すべきではないかと考える。

 (議場 そうだ!その通り!)。

 事業者の試算をうのみにすることが、横浜市の都市政策の在り方としてふさわしいとは思えない。誘致方針を取り下げて再度、土台となる調査を市が主体となって行うべきと考えるが、市長の考えをうかがう。

 今回の誘致方針への転換は、その理由が不明瞭だ。市長の判断材料が十分に示されていない。市民の関心も高く、重要な場所に立地し、規模も大きな事業で、長期にわたって影響の出る事業だ。意思決定プロセスが開かれ、市民が判断するための情報が容易に得られる状況の中で、メリット、デメリット、賛否、複数のプランをどう検討したかなど、議論の経緯が残されていくことが重要だ。

 林市長が次回市長選に、4期目を目指して立候補する考えか分からないが、IRが開業すると予定される2020年代後半以降、そして開業後の期間にわたり、林市長が市政の責任を持てる訳ではない。横浜市政は横浜市民のものだ。市民とともに議論を重ね、その記録を残し、後世での評価を可能にしていくことが、市政を預かる市長の責任ではないか。

 (議場 その通りだ!)。

 そうした蓄積がない中で、誘致方針に転じるのは時期尚早であり、無責任ではないか。

 (議場 許されないことだ!)

 十分な調査も議論も行えていない今、なぜ、誘致方針に転じたかをうかがう。

 併せて、市民とともに議論を重ね、意思決定プロセスを開かれた中で行い、残していくことの重要性をどう考えているか、市長の認識をうかがう。

 私たち立憲・国民フォーラム市会議員団は先日、市長に対し、誘致撤回を求める緊急要請を行った。横浜への誘致には断固として反対だ。横浜市は市民のものだ。市長の任期が終わった後も、市民の生活は続き、横浜市の歴史は続く。市民が反対するカジノ誘致を無理に進める必要はない。市長が誘致方針を撤回し、市民とともに市の歴史、文化、風土にふさわしい山下ふ頭再開発をもう一度やり直すことを求めて、私の質問を終える。

白紙を撤回し、誘致に転じたことの責任をどう考えているのか。

 (市長)私はこれまで、白紙とは導入する、しないの判断に至っていないと申し上げてきた。平成26年度から予算を計上し、継続して検討を重ねてきた。この間、市民、経済界、市会の皆さまからさまざまな意見をいただいた。国の動向や他都市の状況なども踏まえ、将来の責任を持つ市長として総合的に判断した。

18区での説明会は、各区1回だけで行うのか。それとも10回、20回とより多くの方が参加できるようにしていくのか。

 (市長)まずはIRの実現に向けた本市の考え方を伝え、実施方針の策定や区域整備計画の策定など、節目ごとに説明会を継続していく。多くの市民が参加できるよう、さまざまな機会を設ける。広報よこはま特別号の発行やネットでの動画配信など、説明会に参加できない市民に対しても、IRについて周知する方法を検討する。

認定申請を行う時期がいつ頃になると見込んで今回アドバイザリー契約を行うのか。また、予算外義務負担の設定期間の根拠は。

 (市長)現在の動向を勘案すると、早ければ令和3年度には区域整備計画の認定申請が必要となる。アドバイザリー業務はサウンディングや専門的な調査による実施方針の策定、これに基づく事業者公募、区域整備計画の策定の手続きまでを委託する。これらの委託は監査法人やコンサルタントに一連の業務として、複数年の契約で行う必要があるため、令和3年度までの債務負担を設定した。

カジノ誘致方針を撤回し、山下ふ頭の再開発が順調に行えるようにすることが必要との考えに対する見解。

 (市長)山下ふ頭再開発計画では、目指す都市像として「ハーバーリゾートの形成」を掲げ、観光MICEを中心とした魅力的なにぎわいの創出、親水性のウオーターフロントの創出、環境に配慮したスマートエリアの創出など、三つの視点を掲げた。国内外から集客し、地域経済の振興を目指す日本型IRと方向性は一致している。民間事業者の投資や創意工夫を最大限に引き出す日本型IRの枠組みを導入し、山下ふ頭再開発の目標である2020年代後半の開業を目指す。

説明会ではアンケートを取り、賛否を確認し、その意見を受け止めていく必要があるとの考えに対する見解。

 (市長)まずは説明会で、お子様も含め、あらゆる世代に楽しんでいただける統合型リゾートの魅力、世界最高水準のカジノ規制の内容、治安、依存症対策に関する横浜市の取り組みをしっかり伝えることが必要と考えている。今後の説明会においても、IRの理解についてアンケートを実施し、市民の意見をうかがうとともに、今後の検討にしっかりと生かす。

市民意見を集めるためのアンケートを3万人以上の規模で実施すべきとの考えに対する見解。

 (市長)IRは国内初の、国家的なプロジェクトだ。まずはその仕組みや内容を、市民にしっかりと丁寧に説明する必要がある。民意を聞く方法として、IR整備法で都道府県の同意、公聴会の実施、議会の議決などが規定されている。今後、国からの情報を参考に、引き続き検討する。

自治会、町内会の意見に向き合わず、IR誘致方針を打ち出した理由。

 (市長)6月の説明会の開催にあたり、昨年度の調査結果について、市連会、区連会で情報提供し、今後の説明会は「18区で説明すべき」「周知期間を十分とるべき」などの指摘をいただいた。市連会や区連会は市政を進める上で、日頃から協力いただいており、今後も丁寧に説明し、理解、納得を得られるよう、私自身しっかりと努めていく。

経済界の期待の声に向き合う一方で、市民の反対意見に向き合わない理由。

 (市長)IRは国内初の国家的なプロジェクトだ。その仕組みや内容について、市民に丁寧に説明する必要がある。やはりまだまだ、IRがどういうものか、なぜ横浜市がIRを導入しようと決断したか、説明が足りていない。

 まずは18区への説明会で、しっかり話をする。特に依存症対策、治安対策など具体的な検討を進める中で、適切に市民に説明し、意見をうかがい、国や県とも連携しながら、しっかりと対応を進める。

誘致方針を取り下げて、再度土台となる調査をすべきとの考えに対する見解。

 (市長)今回の経済効果の算出にあたり、昨年度には明らかになっていなかったIR整備法の施行令などを踏まえ、事業者に改めて情報提供いただいた。いただいた情報は、監査法人と市で妥当性を確認した上で、市の産業連関表を用いて、雇用創出効果などを試算した。こうした調査結果の下、IR誘致を実現していく決断をした。さらなる精度を上げた検討を進めて市民の理解をいただくには、今回提案した規模の補正予算が必要。これをもとに、最終的に議決をいただく区域整備計画を策定していきたいと考えている。

十分な調査も議論も行えていない今、なぜ誘致方針に転じたのか。

 (市長)本年度の調査で、施行令などを踏まえ、事業者から提供された情報の精査を進め、これまでにない経済的効果を確認した。また、依存症対策推進基本計画が国から示された。治安対策や依存症対策に取り組む環境も整い、具体的な対策を講じていく見通しを持つことができた。日本型IRは最高レベルの厳しい依存症対策を取っている。入場規制もされる。そういうことも勉強した結果、また国の情報では、さまざまな意見があったから、開業スケジュールが少し遅れるかとの報道もあったが、遅れはないとの報道も受けた。カジノ管理委員会が、秋にも設置される見込みであること。他都市ではいち早く大阪が名乗りを上げている訳だが、その他の都市も手を挙げている所もあるし、検討している所も増えてきた。そうした状況を見ながら、今ここで決断しなければ、誘致を、私としてはしようと決意したが、これは手挙げ方式であるので、完全に選ばれるか分からない。そういう中で、横浜市としてきちんと準備を整えなければならない。私自身も、自分の中で納得し、皆さんにご説明しようと。しっかり説明し、ご判断いただきたいと決意があったので、ここでIRを実現する必要があると、総合的に時期を見て発表した。

市民とともに議論を重ね、意思決定プロセスを開かれた中で行い、残していくことの重要性。

 (市長)市民の代表である市会の皆さんに、IRの実現に向けた本格的な準備検討の状況を丁寧に説明し、意見をいただきながら進める。市民には18区で、市の考え方などを丁寧に説明する。今後の進捗(しんちょく)に合わせた説明会も開催する。広報よこはま特別号などでも情報を丁寧にお伝えする。

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