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個人情報を選挙利用か 元平塚市職員の市議、持ち出す

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年8月8日(木) 21:42

元市職員の情報持ち出しを謝罪する石田有信副市長(右)ら=平塚市役所
元市職員の情報持ち出しを謝罪する石田有信副市長(右)ら=平塚市役所

 4月の平塚市議選で初当選した渡部亮氏(40)=無所属=が同市職員を退職する前後に市の管理するパソコンから個人情報などのデータを持ち出し、自らの選挙活動に利用した疑いがあることが8日、明らかになった。同市は市個人情報保護条例違反の疑いで平塚署への告発を検討している。

 渡部氏は市職員として市教育委員会スポーツ課などで15年間勤務し、昨年12月に退職した。市によると、渡部氏は昨年11月と同12月の退職翌日の2回、職場のパソコンから庁内のネットワークに接続。セキュリティー機能の付いた専用USBメモリーにスポーツ団体や個人の情報が入った計約3万2千件のデータをコピーした。その後、セキュリティー機能のないUSBメモリーにデータを移した。

 今年4月、匿名の市民から「市議選に立候補している渡部氏からはがきが送られてきた」との問い合わせがあり、市が調査。渡部氏のパソコンから情報が複写された履歴が専用USBメモリーに残されていた。

 持ち出されたデータには住所や電話番号のほか、口座情報が含まれていた。市はデータのうち少なくとも2人に渡部氏からの選挙はがきが届いていたのを確認したという。

 石田有信(ゆうしん)副市長は記者会見で情報管理の甘さなどを謝罪し、「市民の信頼回復に向けて再発防止に努める」と述べた。市議会の片倉章博議長は取材に対し「市民の信託を受けながらまことに遺憾。事実関係を確認した上で今後の対応を検討したい」と話している。

倫理欠落「恥ずべき」

選挙制度実務研究会の小島勇人代表理事(元川崎市選挙管理委員会事務局長)の話
 40年以上、選挙の実務に携わったが、公務員の地位を利用して個人情報を悪用する立候補者など聞いたことがない。行政を監視するのが議員の仕事だが、倫理観が欠落し恥ずべきだ。選挙のために選挙人名簿を閲覧する制度もあり、正々堂々と戦うべきだった。

「個人情報、認識甘かった」渡部氏


不正に入手した個人情報を選挙活動で利用した可能性があることを会見で認める渡部亮市議=平塚市役所
不正に入手した個人情報を選挙活動で利用した可能性があることを会見で認める渡部亮市議=平塚市役所

 舌がんを克服したスノーボード選手として「がん患者の生きやすい社会を」と訴え、新人ながら4位当選した渡部氏。8日に記者会見し、データを選挙活動に使用した可能性があることを認め、「選挙や政治運動では個人情報保護法は適用外だと思っていた。認識が甘かった」と謝罪した。

 
 

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