伊勢原市は、市立小中学校全14校や市立公民館全7館など公共施設計27カ所の屋外に自動体外式除細動器(AED)を置く。災害時に学校が指定避難所の役割を果たすことを考慮し、迅速な人命救助につなげる考えだ。8月1日までに設置が完了する予定で、また施錠はせず、盗難防止のため扉を開けると警報が鳴る仕組みにした。
市警防救急課によると、AEDは、公共施設をはじめ事業所や店舗など、市内の162カ所に設置されている。しかし、屋外に置く施設はほぼないとみられる。
小中学校では職員室や保健室での保管が一般的だ。市は土日にグラウンドを利用する野球チームの指導者らに、校舎のガラスを割ってAEDを使うよう説明していたが、校長らから「ガラスを割ることにちゅうちょする」といった声が上がっていたという。
そこで、屋内にあった27台を玄関先や体育館の入口など利用者の目につきやすい場所に移動。聴覚障害者でもすぐに使えるよう、本体の音声と液晶画面で使い方を説明する機種に交換する。また熱や寒さに強い専用ボックスに納める。
高山松太郎市長は24日の定例会見で「住民や一般の方がグラウンドや体育館を使う時や土日祝日の地域行事の際も、AEDを使用していただける」と説明。「地域防災の拠点としての学校の側面を強化する意味合いもあり、児童生徒、地域の安全安心の一助になればと考えている」と話した。