横須賀市の上地克明市長が10日で市長就任から2年となり、1期目の任期折り返しを迎えた。同日までに神奈川新聞社のインタビューに応じ、国との良好な関係づくりや、「音楽・スポーツ・エンターテイメント都市」など公約で掲げた「横須賀復活3構想」を一歩進めたことに自信を見せた。任期後半に向け、谷戸対策や支え合いの社会づくりを促進させる意欲を示した。
-2年を振り返って。
「今まであまりにも行政が変化しなかったので、私が先頭を走り続けてきた。復活3構想をできるだけ早く具体的な施策として打ち出したかった。その入り口は、市民に理解してもらい、基盤は作り上げた」
-2年の自己評価は。
「政治家はやってなんぼだ。横須賀をこうしたいと若い頃から思っていたことの実現に向け一歩進めた。後は他人が評価すればいい。駄目だったら批判してもらえれば」
-最も力を入れたのは。
「まずは国とのパイプづくり。これまで全くなかった。横須賀のグランドデザインを描き、『こうであるなら、こうあるべきだ』と言い続け、(防衛省の助成金交付の適用拡大など)功を奏した。国とパイプが築けたのは、横須賀にとってものすごく大きい」
-大きく進んだ施策は。
「スポーツや音楽、エンターテインメントの分野は、かなり充実した。やっと追浜に横浜DeNAベイスターズの2軍総合練習場が出来上がった。久里浜には横浜F・マリノスの練習施設の整備も決まった。市内を縦断するスポーツ構想の夢がかなった」
-足りなかった部分は。
「谷戸対策では、私のメッセージがまだ伝わりきれていない。谷戸ごとにアーティスト村、音楽村といったライフスタイルを創りたい。谷戸が助け合い社会の主体となり、崖や谷戸はマイナスというイメージを覆したい」
-残り2年の抱負は。
「3構想の仕掛けづくりは、最終的には市民生活の向上のため。市民も開放的になって一緒に変わってほしい。そういう街になれば、投資が増え、税収も上がり、最終的には福祉につなげることができる」
「目指す『誰も一人にしないまち』は、市民も行政もそれぞれの立場の垣根を越え、足りない部分を補って、支え合う社会だ。一人一人が自立しながらも協調し、助け合いの社会をつくっていきたい」
-しかし、福祉施策が見えづらいとの批判がある。
「よく言われるが、全然違う。地方自治は結局は福祉。当たり前だ。全てそのための手法でしかない」
-人口減少に歯止めがかかっていない。
「横須賀は平地面積が少なく、谷戸が多い。地政学的にいっても人は出ていく。だから残る人にどう幸せになってもらえるのかを考え、とどまってもらう。あるいは面白い街だと思ってもらい、外から横須賀に来てもらう。これを続けていくしか方策はない」