淵野辺駅南口のまちづくりを検討していた相模原市は、近くの鹿沼公園に周辺の公共施設を集約化し複合施設を設置する方向で調査に入る。老朽化した図書館、公民館・まちづくりセンター、駐輪場跡地の売却益を事業費に充てるという構想で、9月補正予算案で官民連携による事業効果の調査経費1299万円を計上した。加山俊夫市長は23日の会見で「民間の協力を得て、効率の良い土地利用を進めたい」と述べた。
市都市計画課によると、調査経費は全額国庫補助を活用。集約候補の公共施設は市立図書館(約5197平方メートル)、大野北公民館・大野北まちづくりセンター(約3227平方メートル)、青少年学習センター(矢部駅北口、約4506平方メートル)、さがみはら国際交流ラウンジ(約177平方メートル)、あさひ児童館(約378平方メートル)、淵野辺駅南口自転車駐車場2カ所(約1335平方メートル、約1407平方メートル)。
本年度中に基本計画を策定し、来年度は跡地を購入する業者を選定する予定。
淵野辺駅北口・南口一帯は図書館や公民館の他、青山学院大や桜美林大、麻布大など複数の大学キャンパスや国の研究施設が立地する文教地区。一方、商業地として土地利用が進んでおらず、公共施設の建物は築40年以上と老朽化が課題となっていた。地元からも約10年前から再整備やにぎわい創出について要望があった。
集約・複合化による公共施設の再整備で施設利用者の利便性向上を図る一方、売却した跡地は民間の知識やノウハウを生かした駅前にふさわしい活気あるまちづくりを模索する。ことし5月の都市緑地法の一部改正でカフェ・レストランなど民間事業者から公募選定が可能になるなど都市公園を柔軟に管理できるようになったことも計画を後押しした。
民間資金活用による社会資本整備(PFI)方式を導入することを優先的検討方針にする。