黒岩祐治知事は17日、神奈川県のヘイトスピーチ対策について「条例も含め、どのような取り組みが最も効果的か、整理・分析し、総合的な視点で研究していく」と述べ、条例制定に含みを持たせた。ヘイトスピーチを巡り、知事が「条例」に言及したのは初めて。
県内では川崎市が禁止を明記した新たな条例骨子案を市議会に提示したほか、相模原市が条例の制定を検討。大阪市、東京都は条例が成立するなど、一部の自治体で先行した取り組みが進む。
知事は学識者らでつくる「かながわ人権政策推進懇話会」で出された意見を紹介。規制を伴う条例の制定や、表現の自由の観点から規制には慎重であるべきとの意見もあったとし、条例の制定も含めて今後さらに検討を重ねるとした。
また、知事は「ヘイトスピーチは決して許されるものではない」と強調。県の取り組みとして、県立高校への啓発冊子の配布やインターネット上の差別的な書き込みをチェックするモニタリング、専門家による相談窓口の開設などを列挙した。
同日の県議会本会議で、赤野孝之氏(立憲民主党・民権クラブ)の代表質問に答えた。