
鎌倉市と江ノ島電鉄は3日、江ノ電鎌倉駅の混雑時に沿線住民らを優先して入場させる社会実験を始めた。ゴールデンウイーク(GW)期間中に実施する取り組みで、3回目の今年は5日までの3日間、優先入場の効果などを検証する。
市によると、同駅ではGW期間中に西口改札前から100メートル近い乗車待ちの列ができ、40分間以上待つこともある。沿線住民が利用しづらくなっている状況を改善するため、実験は2017年にスタート。過去2年は天候が崩れて混雑せず、優先乗車は1日しか実施されなかった。
実験では、乗車待ちの列ができた場合、事前に市が発行した「沿線住民等証明書」の所有者を駅構内の列の最後尾に並ばせる。今回は従来の長谷-腰越間に加え、和田塚、由比ケ浜駅を利用する在住・在勤・在学者も対象とした。証明書は約2800人が申請した。
行楽日和となった3日は、午前11時ごろから改札外に列ができ始め、午後1時以降は観光客らの長い列が恒常的にできた。
極楽寺駅近くに住む部活帰りの女子中学生(14)は証明書を使って乗車。「GWは電車を使わず、歩いて帰ることもあった。証明書があると列に並ばなくて済むので住民には良いと思う」と話していた。