
JR横浜線淵野辺駅(相模原市中央区)などで15日、市消防局職員が若者らに職員募集のチラシを配った。人材の確保を目的とした市消防局初の取り組み。職員らは活動に当たる際に着用する防火服などに身を包み、懸命にアピールした。
市消防局の職員は778人。今春は応募者224人のうち34人が合格し、辞退者を除く29人が入庁した。ここ数年は6~7倍の倍率となっているものの、「好景気で公務員や消防職員志望者が減る可能性がある」(同消防局)との危機感から、初めて職員自らが外に出て勧誘活動をした。
この日は、桜美林大、青山学院大の学生の利用が多い同駅のほか、小田急線相模大野駅でも実施。チラシには消防の仕事に関するQ&Aや初任給など、リアルな情報も記載した。
銀色の防火服にヘルメット、背には空気ボンベを背負った男性職員2人は改札前に立ち、「消防で働きませんか」と声を掛けながら大学生らに次々とチラシを配布。オレンジ色の救助隊の服装を身にまとった男性や、グレーの救急隊の服装の女性職員も参加し、勧誘に汗を流した。
大卒程度の採用試験は6月23日で、相模原、横浜、川崎の3政令市が同一日程となっている。
「まずは、他の市ではなく相模原市を受けてもらうことが必要。また、試験日程が異なる東京消防庁が一番人気になる傾向があるので、それでも相模原を選んでもらうよう呼び掛けた」と担当者。両駅合わせて約千枚のチラシを手渡したが「『消防で働きます』と応えてくれる男子学生もいた」と好感触を得た様子だった。