2019統一地方選
検証・黒岩流8年(6)「共生社会」実現、理想と曲折
政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年3月8日(金) 22:19
山あいの施設に、静かに花を手向ける黒岩祐治・神奈川県知事の姿があった。
「つらい経験をしたが、福祉先進県と言われるようしっかり進めていく」
未曽有の惨劇から1年8カ月が過ぎた昨年3月。取り壊しを前にした県立障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で、決意を口にした。
「いのち輝く」を県政運営のテーマに掲げる知事が、「最大の衝撃」と振り返る相模原殺傷事件。入所者19人の命を奪った凶行は、県施策の方向性をも揺るがした。
障害者に向けられる差別にどう打ち勝つか、障害者の意思決定支援はどうあるべきか…。とりわけ障害者の生き方を巡る議論は、足元の社会に重い問いを突き付けた。
揺れるやまゆり園再建
「非常につらい決断だが、誠意を持って話せば必ず…