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消防団定数100%初達成 事業所や施設へ勧誘奏功 横浜市

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2019年1月5日(土) 17:00

横浜市役所
横浜市役所

 横浜市内で消防団員の確保が進み、条例で定める定数(8305人)の100%を今月1日に初めて達成したことが分かった。全国では団員数の減少に歯止めが掛からず、地域防災力の低下が懸念されているが、同市では昨年4月以降、全20消防団で計500人近くの増員を実現。事業所に対しても積極的な協力を求める人材確保策が大きな成果を上げている。

 市消防局によると、主に区ごとに分かれている20消防団の合計団員数は、昨年4月時点で7810人だった。12月で8259人に増え、定数に対する充足率は99・4%に上昇。その後の1カ月でさらに伸び、条例定数を8305人とした2006年度以降で最多となった。


横浜市の消防団員の推移
横浜市の消防団員の推移

 06年4月に8052人だった団員数はその後、減少を続け、東日本大震災翌年の12年4月には7022人に落ち込んだ。かつて担い手の中心だった自営業者が少なくなり、長年活動してきた高齢の団員に代わる若手の入団者を確保できなかったことが主因で、全国的な趨勢(すうせい)と同じだった。

 打開に向け、市内の各消防団と地元消防署が連携。これまで消防団活動に加わっていなかった事業所や施設に働き掛ける地道な勧誘活動を続けた。その結果、医療機関や老人ホーム、保育園、スポーツクラブ、カーディーラーなどが「消防団協力事業所」となり、複数の従業員や職員が入団する流れが3年ほど前から定着してきたという。

 地域特性を踏まえた独自の確保策もあり、神奈川消防団は重機や船舶などを所有する地元企業の協力を得て、大規模災害時を中心に活動する特装部隊を発足。戸塚消防団や南消防団は、ヤクルトレディや新聞販売店の従業員ら日々の業務を通じて地域に詳しい入団者を確保し、通勤で地元を離れるサラリーマン団員の増加で手薄になりがちな昼間の活動をカバーすることを目指している。

 林文子市長は4日の賀詞交換会で「都市を守る防災・減災の要である消防団がついに100%になった。みんなで地域を守ろうということが数字に表れたのではないか」などと述べた。

 総務省消防庁のまとめでは、1954年までは200万人を超えていた全国の消防団員数は昨年4月時点で84万3661人に減少。1万8545人の県内は横浜市の増加が全体の数を押し上げ、1年前と比べ全国最多の102人の増を記録した。県消防課によると、小田原、綾瀬両市と中井町も定数100%を達成している。

 
 

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