
宝くじインターネット販売の早期導入を目指し、県が法改正に向けた足場固めを進めている。松沢成文知事は15日に開かれる9都県市首脳会議(首都圏サミット)への提案を決め、「一年でも早く実現できるようにリーダーシップを取っていきたい」と意気込む。だが、そもそも導入時期を5年後と決めたのは知事も委員を務める全国自治宝くじ事務協議会。今回の提案は、その方針を翻す格好となる。
売り上げの約4割が都道府県などの収入に充てられる宝くじ。「全国ジャンボ」の1等賞金アップや数字選択式「ロト6」の発売で右肩上がりだった販売実績(全国)は2005年度の1兆1047億円をピークに減少に転じ、09年度には8年続いた1兆円の大台を下回った。県内でも昨年度の売り上げは215億円に減り、県の収入額も90億円(06年度比11億円減)にまで落ち込んでいる。
一方、既にネット販売を行っている競輪、競馬やスポーツ振興くじ「TOTO」などは一定の売り上げを維持。平塚競輪のネットくじでは10月に史上最高額となる9億円が的中するなど、新規ファン獲得の起爆剤にもなっている。
「自治体収入につながりファンも喜ぶ改革を早めにやっていこう」。宝くじの現状に危機感を抱いた松沢知事は、当せん金付証票法を改正して「電磁的記録」を認める必要性を強調。3月に全国自治宝くじ事務協議会がネット販売導入を15年1月と決めたことを「遅い」とし、首都圏サミットへの提案を決めた。
しかし、同協議会を構成するのは全国の都道府県と政令市。さらに松沢知事は関東・中部・東北エリアの会長の立場だが、同協議会が3月に決めた方針は最近まで伝えられていなかったという。
首都圏サミットの構成自治体も全国自治宝くじ事務協議会のメンバーで、テーブルを囲む石原慎太郎東京都知事は同協議会の会長。松沢知事からの提案を受けた各首長の反応にも関心が集まりそうだ。
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