1. ホーム
  2. ニュース
  3. 政治・行政
  4. 財政難に是非問う声、市立小中教室に空調整備設置に議論白熱/横浜

財政難に是非問う声、市立小中教室に空調整備設置に議論白熱/横浜

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2010年11月1日(月) 12:09

113年の観測史上もっとも暑かった今年の夏。“異常気象”は一つの余波を横浜に残していった。「暑すぎて授業にならない。教室にエアコンを付けてほしい」。学校からの切実な要望にほだされて、市会での議論もヒートアップ。厳しい財政難にありながら、市は市立小中学校の普通教室への空調整備の検討を進めている。ただ、総額で270億円超とも推計される大型事業。猛暑下での議論の急展開に、木枯らしの吹き始めた今、あらためてその是非を問う声がある。

■現場では切実

「蒸し風呂状態でした。よく子どもたちは我慢したな、と」。市立小学校PTA会長の女性は、今夏の教室をそう例えた。「エアコン設置の要望は以前からあった。でも今年の暑さは異常だった」

2学期制を取る横浜では残暑ただ中の8月27日に学校が再開された。今年は9月も真夏日が続き、ある中学校の男性教諭が測った同月初旬の教室内は40度。市教委が2007、08年度に設置した扇風機は室内の熱気をかき回すだけで、「授業に集中しろという方が酷だった」。

現場を視察した市議など各会派がこぞってこの問題を9月の本会議で取り上げ、市は急きょ必要性の調査検討に入った。

■急転に違和感

一方で市や教育関係者の間には、議論の“急転”に違和感を唱える声もある。

ある関係者は「あの暑さの中で『子どもがかわいそう』という議論に誰も反論はない」とした上で、「設置ありきではなく、環境への影響も考慮して暑いときは授業をしないとか工夫の仕方はあるのでは」と疑問を呈す。

折しも市は厳しい財政状況だ。来年度は、本年度当初予算並みの市債(1274億円)を発行しても、予算編成で見込まれる収支不足額は200億円。今後、敬老パスの利用者負担増や保育料の値上げも検討されている。市教委も昨年、校舎の建て替え時期を築40年から築70年に延長、年度あたりの施設整備費を約180億円縮減する計画をまとめたが、それでも現状の予算では賄い切れない。

仮に普通教室にエアコンのない市立小中全484校に設置するとなると、掛かる経費は270億円超との試算もある。毎年の電気代も合わせ、巨額の事業が動きだそうとしている。

■問題ほかにも

ある中学校の男性校長にとってエアコンは「あるに越したことはない」。ただ同じように気掛かりは、校舎建て替えの延長とその影響だ。

別の中学校の体育館で、部活動中に天井がはがれ落下する事故があった。けが人はなかったものの「子どもの安全にはどちらも重要な問題」。教育予算が増やされるのであれば「さまざまな課題を同じ机上で検討すべき。今回はエアコンだけが突出してしまったように感じる」。

市は11月上旬に発表する市中期4か年計画(2010~13年度)の原案に盛り込むほか、来年度の予算編成で事業費を計上するとみられる。林文子市長は「やらなきゃいけないこと」と述べるなど、設置に対し一貫して前向きな姿勢を見せている。

◆県内の公立小中学校の空調設置状況 県教育局教育財務課によると、県内の市町村立小学校で冷房機能のある空調が設置されている普通教室の数は、全体(1万8033室)の25・4%に当たる4574室。中学校では全体(7469室)の27・8%に当たる2075室。川崎市や横須賀市など、暑さ対策を理由に全校設置をほぼ完了している自治体もある。厚木基地を抱える大和市などでは、騒音対策として国の費用負担で全校に設置されている。

【】

真夏日に関するその他のニュース

政治・行政に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング