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昭和の遺産どう活かす?市が鎌倉山扇湖山荘の活用方法を検討/鎌倉

政治・行政 | 神奈川新聞 | 2010年10月26日(火) 15:29

【上】市に寄付された鎌倉山扇湖山荘と庭園 【下】鎌倉山扇湖山荘の内部
【上】市に寄付された鎌倉山扇湖山荘と庭園 【下】鎌倉山扇湖山荘の内部

鎌倉市の鎌倉山に昭和初期に建てられた和風建築「鎌倉山扇湖(せんこ)山荘」と庭園など(総敷地約2万3千平方メートル)について、今月、元所有者から寄付された鎌倉市が活用法を検討している。歴史的価値がある建築物と広大な庭園は高名な建築家、造園家が手掛けており、市は価値を高く評価。市は保存を視野に「都市公園として整備するのが最善ではないか」としている。専門家は「周辺施設との回遊性も考え、幅広く活用法を考えて」と指摘している。

市は25日、寄付を受けてから初めて同山荘の全容を報道陣らに公開した。

市などによると、同山荘は、製薬会社創業者の別邸として1934年に建てられた。飛騨高山の民家を移築・改修した木造2階、地下1階建て(総床面積約1800平方メートル)。杉木立から海が扇形に見えることが名の由来という。

山荘を手掛けたとされる大江新太郎は明治神宮、庭園の小川治兵衛は京都御所にかかわったとされ、それぞれ建築、造園界では著名。居間にはいろりが置かれ、畳の間も広々としており、現存する当時の和風建築物としては貴重という。また、茶室は明治期に建てられたものを移築したとされる。

建物はこれまで美術館や高級料亭「鎌倉園」として使われ、約30年前から旧三和銀行(現三菱東京UFJ銀行)が取得し研修所として99年まで用いられてきた。その後、市との交渉の結果、同銀行が市に寄付することとなった。

市は、「庭、建物を一体で、現状を維持しながら都市公園として整備するのが最善ではないか」とし、今後、庁内に検討会を設置して施設の活用方法を検討するという。

別荘や庭園の継承などに取り組む「邸園文化調査団」の菅孝能会長は、「高名な建築家や造園家が携わっており、広大な敷地全体が保存されるのはいいこと」と評価した上で、「(鎌倉市内の)奥まった場所にあるため、利用法をしっかり考える必要がある。周囲の施設と連携し、観光客らが回遊できるようにしては」などと指摘した。

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